オーストラリア・メルボルンで開催中の全豪オープンは24日に女子準決勝2試合を行い、一昨年の準優勝者の李娜(リー・ナ)が、昨年の準優勝者マリア・シャラポワを、6-2、6-2で破り2年ぶりの決勝へ。
昨年優勝者のビクトリア・アザレンカは、昨日の準々決勝でセリーナ・ウィリアムズを破った19歳の新鋭スローン・スティーブンスを、6-1、6-4で退け、2年連続となる決勝にコマを進めた。
シャラポワのリターンがネットに掛かるより先に、勝利を確信しガッツポーズを握りしめた李娜。「この大会に来ると、何故か良い空気に包まれる」と言う李娜が、昨年の準優勝者を圧倒し決勝へと歩みを進めた。
今大会、ここまでの5試合でわずか9ゲームしか落としてないシャラポワが、いきなり最初のサービスゲームでブレークを許した。しかも立ち上がりから5連続フォルトで、2つのダブルフォルトを献上。試合開始と同時に畳み掛けてきた、これまでの勝ちあがりと、明らかに様相が異なっていた。
一方の李娜は、準々決勝でラドワンスカ相手に厳しい戦いを制したことで、調子を上げているようだ。シャラポワのセカンドサーブを叩き、フォアで積極的に攻めていく。リスクを取って攻める李娜のテニスは必然的にミスも多いが、この日の彼女は凡ミスはほとんどしなかった。いずれのセットでも最初のゲームでブレークを奪い、以降は試合をコントロールする強者のテニスで世界2位に完勝。敗れたシャラポワは「彼女は攻撃的で、リードすると畳み掛けてきた。一方の私は、変化を付けようとしてミスを繰り返してしまった」と敗戦を悔やんだ。
もう一つの試合では、ディフェンディングチャンピオンのアザレンカが、勢いに乗るスティーブンスを意地で退け、連覇への希望をつないだ。しかし第1セットこそ簡単に奪ったものの、第2セット終盤で背中と胸の痛みに苦しみ、10分近く治療のためコートを離れるハプニング。それも、5-3からスティーブンスにブレークを許した直後だっただけに、報道陣たちからは「勢いに乗った相手のリズムを断ち切るために、メディカルタイムアウトを取ったのでは?」という厳しい意見も。本人は「第2セットの始まりから痛みがあった。もっと早くにトレーナーを呼ぶべきだったが、あの時点で我慢できなくなった」と戦略的な意味合いを否定したが、批判的な声は消えない。
昨年の女王は明後日の決勝で、連覇のプレッシャーと同時に、周囲の厳しい視線と戦うことも強いられそうだ。
※写真は、マリア・シャラポワに勝利し2年ぶりの全豪オープン決勝進出を決めた李娜
Photo by Hiroshi sato