クルム伊達公子(テニス)
米国カリフォルニア州で開催中のBNPパリバ・オープンは、現地時間3月14日に女子ダブルスの準決勝を行い、クルム伊達公子/ケーシー・デラクア組は第4シードのエレナ・ベスニナ/エカテリーナ・マカロワ組と対戦。6-4、6-7(4)、8-10で惜敗し、決勝進出はならなかった。

相手は今大会の第4シードにして、昨年も二人で数々のタイトルを手にしている強豪ペア。対するクルム伊達とデラクアは、今大会が組んで2大会目というフレッシュなチームだ。経験やコンビネーションなど、あらゆる面でベスニナ/マカロワ組に一日の長があった。

それでもクルム伊達たちは、明確な対策を練ってこの一戦に挑んでいた。

「相手は強豪だが、変則では無いので、ある程度プレーが予測はつく部分がある。勝負どころでどうやってくるかも分かっていて、そこに対する準備はできていた」

勝負どころで相手がとる得意なプレーとは、クロスの打ち合いからダウンザラインへの展開。そしてクルム伊達たちは、試合序盤はそのプレーを完璧に封じてみせた。前衛がダウンザラインへのショットを巧みにカバーし、後衛はロブも用いながら広くコートを使っていく。第1セットで主導権を握ったクルム伊達たちは、2-2から抜け出し6-4で先行した。

第2セットも序盤はクルム伊達たちのペース。だが百戦錬磨の相手は徐々にミスが減り、第2セットはタイブレークの末に相手が競り勝った。

そして迎えた、10ポイントタイブレークの第3セット。最初のポイントで、相手は勝負に出てくる。これまで封じていたはずのダウンザラインに、マカロワがバックで放ったウイナー。「クロスの打ち合いの中から、勝負に出ようと(ポーチに)動いた時に、相手もここが勝負どころと思いダウンザライン狙ってきた」というタイミングが重なり決まった大きなポイント。逆にクルム伊達は、6-7から相手が動いたタイミングを見計らい、狙いすましたショットをストレートに放つが、これが僅かにラインを逸れる。「勝負どころを、相手がしっかり抑えてきたところに、最後の差が出てしまった」と、クルム伊達は僅差の勝敗を分けた数ポイントを悔やんだ。

それでも今大会は、シングルスで2回戦に進み、ダブルスではベスト4の好成績。

「疲れが無い訳ではないが、(調子を)取り戻している。次のマイアミでも、疲れさえ抜ければ良い感じで入れると思う」

視線は、次の戦いに向けられている。

写真は、ダブルス準決勝でバックハンドを打つクルム伊達公子、クリックで拡大
photo by hiroshi sato