9月1日(月)、ニューヨーク。正確に言うと日付が変わり9月2日の早朝2時半、錦織圭はUSオープンで1922年の清水善造(1891-1977)以来、日本人男子プレーヤーとして92年ぶりの8強入りを決めた。

錦織は4回戦で第5シード、カナダのラオニッチと対戦した。その試合は1日のナイトセッション第2試合で行われる。夜の10時ちょっと前に始まった試合、4-6,7-6(4),6-7(6)とセットカウント1-2のピンチから、7-5,6-4、と逆転、4時間半の大激戦の末に錦織は勝利、準々決勝進出を決めた。
8強は2012年のオーストラリアン・オープン以来2度目の事、初のグランドスラム大会4強を目指して第3シード、今年のオーストラリアン・オープン優勝者、ヴァブリンカ(スイス、29歳)と3日(水)に対戦する。対戦成績は錦織の2敗


これが手術からの復帰戦だろうか?
錦織は、今年に入り、右足親指裏にできたマメ(のう胞と言う腫れ物)に悩まされた。
2カ月ほど前から痛みがひどくなり、8月1日のワシントン大会で8強になった後、4日から始まるトロント、続くシンシナティの大会を欠場。
4日に切開手術、ウミを出した。その後は車イスの生活、17日に抜糸。ほとんど練習なしでニューヨークに入った。プレーできるかどうかは試合当日にならないとわからないとまで言っていたのだが。

錦織圭インタビュー
「USオープンに来る前はここまで来るとは思っていなかったが、
1回戦が終わって、足の具合も良くて、テニスも良くて、自信がついてきた。
自分でも驚きはあるが、最後まで頑張ったのが良かった。
でもまだ、今日勝ったことよりも、決勝に残らないと嬉しくはないと思う。」

「チャンにはナイスゲーム、最後まであきらめず、やったのが良かったと言われた。
チャンのおかげで自分のテニスが良くなっている。
結果が出ているのもプッシュしてくれているおかげだと思う。」

今日のラオニッチ戦は
「3セット目を落とした時、嫌な感じになった。
どうしていいか?わからなかったが、サービスゲームに集中していった。」

「ブレーク・ポイントはなかなか取れなくて、食らいついていくことだけを意識した。
エースを取られても気にしないことにして、セカンドを絶対に取ると決めていた。
後半、相手のサーブが読めるようになって、チップでも少しずつ返して、プレッシャーをかけていけた。
ファーストサービスも良くなって、セカンドも後半自信がもてた。」

「最近、自分の(トップ10プレーヤーとしての)位置をわかってきたので、上に行かないといけないプレッシャーを自分にかけている。
今日は挽回して5セットで勝てたのは良かった。
次(の準決勝ワウリンカ)も勝てない相手ではないのでまだまだ頑張りたいと思っている。」
と頼もしい錦織圭だ。

<4時間半、錦織圭4回戦詳細>
〇10)錦織圭 4-6 7-6(4) 6-7(6) 7-5 6-4 ●5)M.RAONIC(CAN)

二人の対戦成績は錦織の2勝1敗、2012年のジャパンオープン決勝で勝ち、今年のウィンブルドン4回戦では負けている。
ナイトセッション、アザレンカが勝った後、21時55分に錦織が登場。2人へのすごい声援が飛ぶ。

トスに勝ったのはラオニッチ、勿論サーブを選ぶ。
ラオニッチの141、144マイル(時速232キロ)のセンターへのサービス・エースで観客はどよめく。

第4ゲーム、ダブルフォルトなどがあり錦織はサーブを落とす。(1-3)
ラオニッチはルビチッチがコーチになってから、ストロークが上手くなって、組み立てでポイントを取るようになった感じがする。
それにこの強烈なサービスが混ざると厳しい相手だ。

1-4、第6ゲームも0-40となる。
これを落とすと1-5、しかしここからしぶとくキープする。

第7ゲーム、ラオニッチがダブルフォルト、
デュースの末に遂にブレークに成功する

4-5、錦織のサーブ、Tへセカンドのエースを狙うがダブルフォルト0-30
0-40のセットポイントはフォアをネット

競り返したが4-6で第1セットを落とす。

第2セット

第3ゲーム、デュースに持ち込む錦織
ラオニッチはダブルフォルト!
錦織は先にブレークに成功する。

ブレークに成功した錦織だが、続くゲーム、デュース後に2度続けてブレーク・ポイントを握られる。
錦織、フォアをロング!
ブレーク・バックされてしまう。(2-2)

3-3、ラオニッチのサーブ、0-30
しかしサービス・エースなどで、キープされる。

4-4、またも0-30、ここでなんとダブルフォルト!
0-40とトリプルのブレーク・ポイントを掴む錦織。
サービス・エースを決められるが、
バックのダウン・ザ・ラインを決めて一番良いところでブレーク!

5-4、錦織のサービング・フォ・ザ・セット
厳しいとろを狙うが、0-40、
落としてしまう。

ラオニッチはサービス・エース連発、ラブでキープする。
錦織もラブでキープ

タイブレーク

バックのダウン・ザ・ラインを決め、先にミニ・ブレーク、
錦織は3-0と優位に進める

5-2から5-4となり、錦織のサーブ、
フォアをクロスに決め6-4
12回のラリー、ラオニッチのバックはネット、7-4で第2セットを取り返した。

第3セット

ラオニッチのサーブ、2-3、で0-40とそしてデュースでもブレーク・チャンスがあったが。
ラオニッチはキープ、3-3。

3-4でも30-40とデュースで3回、計4回ブレーク・チャンスがあったが。
ラオニッチは先のサービスゲームも含め4回のブレーク・ポイントを苦しむも逃れキープする。

第3セットもタイブレークに

第2ポイントを先にミニ・ブレーク、錦織2-0とする。

3-1、短くなったチャンスボール、錦織はフォアをネット、ミニ・ブレーク・バックされた。

しかし先にまたミニ・ブレーク、4-2と有利にタイブレークを進める
このタイブレーク、ラオニッチは初めてサービス・エース

なんと錦織、ダブルフォルト!4-4と追いつかれる。

ラオニッチは6-5で先にセットポイントを掴む。
6-6にする錦織。

6-6、錦織のサーブ、ラオニッチの逆クロスのリターン・エースで、
ラオニッチは7-6、2つ目のセットポイント、
錦織のバックはネット、8-6で第3セットはラオニッチが取る。

第4セット

1-2となったところでインジャリータイムを取ったか?
手術をした右足親指の治療を始めた。
もうNYは深夜の1時を回った。

錦織キープし2-2、試合時間も3時間を経過する。

4-4、攻める錦織、
ナイス・サーブを放つラオニッチ
錦織はナイスカバーそして飛び込みボレーでデュースに持ち込むが。
ラオニッチはキープ。ラオニッチは5-4とする。

5-5、デュース、
ラオニッチのボレーがロング、錦織にブレーク・チャンス
しかしTライン上にサービス・エース

リターン・エースを決め、2度目のブレーク・チャンス
錦織のリターンをラオニッチはネット、ブレークし、6-5とする。

6-5、錦織のサービング・フォ・ザ・セット
30-0、フォアで攻めネットにつくが、中ロブをウオッチ、30-15
バックをロング、30-30
修造サーブで40-30とセットポイント
ラオニッチのフォアのリターンはロング!

7-5で錦織が取る。
夜中の1時43分。試合時間は3時間36分。
このセット、アンフォーストエラーは錦織4、ラオニッチ17。
段々と差が出てきたぞ!

ファイナル・セットに縺れた

2-2、30-0からダブルフォルトで30-30
フォアをネットで30-40と錦織がブレーク・チャンス
ラリー戦、ラオニッチのフォアはロング!
先にブレークした!
錦織3-2だ!

錦織のペースになっている。
無理してラオニッチはフォアに回り込みをしなくてはいけない。
そこを錦織はダウン・ザ・ラインに決める。
ドロップ・ショットから強打ではなく緩いボールでクロスを抜いた!
うまい!4-2だ!

デュースでまたブレーク・ポイントを握る錦織。
2度目のブレーク・ポイント、
絶体絶命な状況、そこをラオニッチはサービス・エース連発で逃れた。
ラオニッチは3-4と踏ん張る。
4時間を越えた死闘だ。

ラブでキープ、錦織5-3
ラオニッチもラブでキープする。

5-4、錦織のサービング・フォ・ザ・マッチ、
ダウン・ザ・ラインを決め30-0
フォアのダウン・ザ・ラインはわずかにワイド、30-15
12回目のフォアはワイド、40-15マッチポイント!
攻防が7回続く、錦織はバックのクロスボレーからバックのダウン・ザ・ラインにボレーで決めた!
やったあ~!
4時間19分。
夜中の2時26分。
この終了時間はUSオープンのタイ記録らしい。

すごい試合だった!
勝って良かったあ~!
これから会見して、パソコン打って原稿をしあげると、何時になるか?わからない!

新聞社の記者達も今日は徹夜で仕事を仕上げるのだろうな。
明日の朝刊は一面トップかな?
そんな苦労の末の記事、各紙よく読んで下さい!

大会データー:2014 USオープン
会場:Billie Jean King ナショナル テニスセンター、NY、アメリカ
賞金総額:$36,000,000(約40億円)
優勝賞金:(約2億円、男女同額)
128ドロー、ハード
予選8/19-8/23,2014
本戦8/25-9/08,2014
大会日程
現地時刻(時差-13時間)
オーダー・オブ・プレー
ライブ・スコア

<男子トップハーフ準々決勝>
1)N.DJOKOVIC(SRB) vs 8)A.MURRAY(GBR)
10)錦織圭 vs 3)S.WAWRINKA(SUI)

<男子4回戦>
〇1)N.DJOKOVIC(SRB) 61 75 64 ●22)KOHLSCHREIBER(GER)
〇8)A.MURRAY(GBR) 75 75 64 ●9)J.TSONGA(FRA)
〇3)S.WAWRINKA(SUI) 75 46 76(7) 62 ●16)T.ROBREDO(ESP)
〇10)錦織圭 46 76(4) 67(6) 75 64 ●5)M.RAONIC(CAN)

6)T.BERDYCH(CZE) vs D.THIEM(AUT)
14)M.CILIC(CRO) vs 26)G.SIMON
7)G.DIMITROV(BUL) vs 20)G.MONFILS(FRA)
2)R.FEDERER(SUI) vs 17)BAUTISTA AGUT(ESP)

<男子3回戦>
〇1)N.DJOKOVIC(SRB) 63 62 62 ●S.QUERREY(USA)
〇22)KOHLSCHREIBER(GER) 76(4) 46 76(2) 76(4) ●13)J.ISNER(USA)
〇9)J.TSONGA(FRA) 64 64 64 ●CARRENO BUSTA(ESP)
〇8)A.MURRAY(GBR) 61 75 46 62 ●A.KUZNETSOV(RUS)

〇3)S.WAWRINKA(SUI) w/o ●B.KAVCIC(SLO)
〇16)T.ROBREDO(ESP) 36 63 76(4) 63 ●N.KYRGIOS(AUS)
〇10)錦織圭 64 62 63 ●23)L.MAYER(ARG)
〇5)M.RAONIC(CAN) 76(5) 76(5) 76(3) ●ESTRELLA BURGOS(DOM)

〇6)T.BERDYCH(CZE) 63 62 64 ●T.GABASHVILI(RUS)
〇D.THIEM(AUT) 64 62 63 ●19)F.LOPEZ(ESP)
〇14)M.CILIC(CRO) 63 36 63 64 ●18)K.ANDERSON(RSA)
〇26)G.SIMON 63 36 61 63 ●4)D.FERRER(ESP)

〇7)G.DIMITROV(BUL) 06 63 64 61 ●D.GOFFIN(BEL)
〇20)G.MONFILS(FRA) 64 62 62 ●12)R.GASQUET(FRA)
〇17)BAUTISTA AGUT(ESP) 75 62 63 ●A.MANNARINO(FRA)
〇2)R.FEDERER(SUI) 46 61 61 61 ●M.GRANOLLERS(ESP)

<男子2回戦>
〇10)錦織圭 64 61ret. ●P.ANDUJAR(ESP)
17)F.LOPEZ(ESP) 64 36 64 76(4) ●Q)伊藤竜馬

<男子1回戦>
〇10)錦織圭 62 64 62 ●W.ODESNIK
〇Q)伊藤竜馬 62 36 57 4-1ret. ●S.JOHNSON(USA)
〇5)M.RAONIC(CAN) 63 62 76(1) ●Q)ダニエル太郎
P.LORENZI(ITA) 61 62 21ret. ●Q)西岡良仁
男子ドロー
男子予選ドロー

女子ドロー
女子予選ドロー

錦織 圭 ブログ
錦織 圭 データー1989年12月29日生まれ、24歳

クルム伊達組 第2シード倒しダブルス8強!
<3回戦>

〇クルム伊達/STRYCOVA(CZE) 76(4) 64 ●2)HSIEH(TPE)/PENG(CHN)
女子ダブルスドロー

クルム伊達公子 ブログ
クルム伊達公子 データー 1970年(昭45年)9月28日生まれ、43歳

(記事テニスジャパン 塚越 亘 レポート森下泰 photo/H.Sato)