女子テニスでは過去、モニカ・セレスやジェニファー・カプリアティ、マルチナ・ヒンギスやマリア・シャラポワなど、10代の活躍選手が大きく注目を集めた関係から、「女子テニスの選手はみんな若い時期から活躍して、引退も早い」という印象をお持ちの方も少なくないかもしれないが、実は多くの選手でキャリアハイ(最高ランキング)を迎えるのは20代前半。10代から活躍し始めて、20代前半で全盛期を迎える選手の方がずっと多いのだ。


今回の全仏オープンの女子16強では面白いコントラストが描かれた。
トップハーフ(組合せ表の上半分)の勝ち残り8人の内、19歳のアナスタシア・パブリュチェンコワ(ロシア)以外は全員が25歳以上のベテラン勢。逆にボトムハーフ(組合せ表の下半分)の8人は10代選手はいないものの、29歳の李娜(リー・ナ)(中国)以外は25歳未満と若手選手による争いとなっていたのだ。
先に4回戦を終えたトップハーフでは、ズボナレワを倒したパブリュチェンコワが8強に名乗りを上げたが、その他はスベトラーナ・クズネツォワ(25歳、ロシア)、フランチェスカ・スキアボーネ(30歳、イタリア)、マリオン・バルトリ(26歳、フランス)と歴戦の猛者揃い。
大会9日目となる30日にはボトムハーフの4回戦が行われるが、4大大会の優勝経験者はシャラポワ一人で、決勝進出経験者はシャラポワにリーナを追加する2名だけ。あとは過去の最高成績が昨年ウィンブルドン選手権のベスト4のペトラ・クビトバ(21歳、チェコ)以外、ベスト8以下が5名となっていて、自己最高成績に挑戦する選手たちばかりとなる。
地味と言われがちな今年の全仏女子だが、次代のスターを探すには、面白い大会と言えるかもしれない。
現地レポート:浅岡隆太