26日、全豪オープン女子シングルスの準決勝が行なわれ、第3シードのビクトリア・アザレンカ(22歳、ベラルーシ)が第11シードで前年優勝者のキム・クライシュテルス(28歳、ベルギー)を、6-4 1-6 6-3の逆転で破って初の決勝進出を果たした。
アザレンカは実績上位、実力でも上回るクライシュテルスを相手に終始攻めの姿勢を崩さず、第2セットを失った後も積極的にコーナーを狙い続けることで、クライシュテルスの攻撃力を封じた。
オフの間のトレーニングで身体を一回り大きくしてきたアザレンカは、以前は上位を相手にした時には弱点とさえ言われたフォアが安定。課題だったサービスのコントロール力も向上している。試合直後は感極まって泣き出すほどうれしい勝利だったようで、「今日の試合では腕にはまるで200キロの重りが付いていて、身体は1000キロに感じるぐらいの重圧があった」と話し、「でもまだ終わりじゃない」とアザレンカは続けた。激しすぎるメンタルのコントロールも彼女にとっては大きなテーマだっただけに、この1勝は大きい。
もうひとつの準決勝は第2シードのペトラ・クビトバ(21歳、チェコ)と第4シードのマリア・シャラポワ(24歳、ロシア)。昨年のウィンブルドン決勝カードの再現となった。
共にサービスとリターンを武器とし、それを生命線とする二人の対決だが、序盤はブレーク合戦となり、第1セットは3度のブレークポイントを全て取り切ったシャラポワが6-2で取ったのだが、第2セットは一転してクビトバがサービスゲームをきっちりと締め、シャラポワにはブレークポイントも与えず6-3で取り返す。
全豪の最終セットはタイブレークがない。それだけに先にブレークすることが大事になるが、第3ゲームでクビトバが先にシャラポワのサービスをブレーク。しかし、直後の第4ゲームでシャラポワもすぐに取り返すシーソーゲームとなり、試合は緊張感を増して行く。
両者ともに慎重さが出てきたのか、その後はじっくりと打ち合う展開が多くなっていったが、そうなるとストロークの器用さで上回るクビトバが有利。シャラポワは懸念されていたダブルフォールトが、第3セット第6ゲームの時点で10本を超え、サービスを思うようにキープできない展開が続く。それでもシャラポワは彼女を世界一の座へと導いた、勝利への執着心の強さで試合の均衡を保っていく。
お互いにキープを続けて迎えた第10ゲーム。クビトバのサービスゲームでシャラポワは2本のマッチポイントを握り、最初のポイントで勝利を決めた。6-2 3-6 6-4でシャラポワ。最後はクビトバがシャラポワの気迫に押されて負けてしまった、という印象の残る戦いだった。
これで決勝はアザレンカ対シャラポワとなった。勝った選手が次週のナンバー1を手にする。