以前ブログの中で紹介した元バルセロナの下部組織のコーチを14年間務めたジョアン・ビラ。
彼が日本のU-12年代のサッカー選手の指導をした際の、「日本への提言」をテニスに置き換えて考えてみます。
ジョアン・ビラ
「日本の多くの子どもはスペインと同等か、それ以上のクオリティーを持つ子も沢山いました。ただし、どの選手もこれまで、多くの時間をテクニックの練習に費やしてきたのではないかと感じました。テクニックを教えることについて、多くの指導者は正しい考えを持っていると思います。体をどうやってコントロールするのか、どうやってボールを触るのか、それらを上手に説明できる指導者は多いでしょう。しかし、プレーの判断、決定を下すことについて、どう教えればいいかを理解している指導者は、どの国に、おいても少ないと感じています。戦術面の練習時間が少ないため、そこを向上させることができていないように感じるのです。多くの子ども達は小さい頃、テクニックを学ぶことから始めます。でも実際問題、テクニックと戦術は切っても切り離せないものです。サッカーを始めた段階から、テクニックと戦術を同時にトレーニングする必要があると思います。パスを例に挙げて説明しましょう。見方へパスをして、ボールを届けることは誰でも出来ます。しかしその中で、どのパスが本当に良いパスか、質の高いパスかを考える必要があります。いくつかのパスコースがある中で、最も効果的なパスを選ぶ。それが出来るのが良い選手です。シャビが他の選手と違う所は、状況に応じて誰に出せばいいのか、最適なパスを選択できることです。大切なのは、いつどこで、どのタイミングで誰に出すかを選ぶこと。それはしっかりと学ばないといけないことです。」
上記の提言は、テニスにおいてもほぼ同様なことが言えるのではないでしょうか。
実際にテクニックの習得に掛ける時間はどこのクラブでも多いこと、これを象徴しているのが特にテニス雑誌のテクニック特集の多さではないでしょうか。日本人はテクニック(どのように打つか)に対しての意識が非常に強いという風に感じます。
実は私もテニス雑誌のテクニック特集を読むのが好きで、日本にいたときは毎月2冊はテニス雑誌を購入していました。
「テクニックと戦術は切っても切り離せない」
非常に重要だと思います。良いショットが打てるだけでは、そのショットを使ってどのようにポイントを組み立てるかというアイデアは生まれてきません。又、どのように相手にミスをさせるか、こういった考えも育ってこないでしょう。
この相手にミスをさせてもポイントを取ることが出来るということは、サッカーや他のスポーツとテニスの大きな違いです。
戦術が理解出来ていることで、テクニックが更に活かされる、テクニックが向上することで、更に戦術が増えるという様に、常に「テクニック」と「戦術」の両方からテニスを考えていく必要があります。
「大切なのは、いつどこで、どのタイミングで誰に出すかを選ぶこと。それはしっかりと学ばないといけないことです。」
この判断や決定といった要素を伸ばし、正しい判断の出来る選手に育てていくことが非常に重要です。
これまで紹介した戦術とテクニックはこちらのリンクからご覧頂くことが出来ます。
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