今年の全米オープン準決勝チリッチ対フェデラーの試合を見て、2000年の全米オープンの決勝、マラト・サフィン対サンプラスの試合(サフィンから64,63,63 20歳で初のグランドスラムタイトル)を思い出しました。
ネットに出るサンプラスが、ことごとくパッシングショットで綺麗にポイントを取られる様子は、その当時サンプラスの絶対的有利を信じていた私に衝撃を与えた事を今でも覚えています。
「サンプラスがこのまま終わるはずがありません。」
当時、解説者の松岡修造さんの繰り返す言葉を私も信じていたのですが、挽回する事なくすんなり試合は終わり、
「信じられません。そのまま終わってしまいました。。。」
という最後の言葉と、ガッツポーズを作るサフィンに鳥肌がたったた2000年でした。
Marat Safin vs Pete Sampras (2000 US Open – Final)
2015年の全米オープン準決勝。
正直、2000年の時と同じ様な衝撃を受けました。
準決勝でフェデラーを敗ったチリッチ、そしてジョコビッチを敗った、錦織選手共に、動きのスピード、ボールを捉えるタイミング、コースを変える精度が完全に相手よりも上回っていて、対戦相手が2人についていけないといった場面を何度も見ました。
以前であれば、安全にボールをつなげて、一度バランスを整えることが出来た所を、相手はコートの中に入ってきて息つく暇無く攻撃される。
常にプレッシャーをかけられながらプレーしなくてはいけないので、段々と精神的にも追いつめられてしまいますよね。
それでは、「今後ジュニア選手は、この様なテニスを目指す必要がある」のでしょうか。
私は、単純にそうとは言い切れないと感じています。
この精度までいきつくには、才能の上にとんでも無い練習量が積み重なっている事は言うまでもありません。
普通の人がやろうとしても、エラーの数がエースの数を上回ってしまうのではないでしょうか。
「コートの中に入ってより積極的に攻撃をすること」
相手からポイントを奪う為の有効な手段でありませすが、意味を取り違えて、全部のボールを攻撃してしまう事の無いよう気をつける必要があります。