錦織圭選手のショットチャートから、何を読み取るか 第1回ーボールを打つポジションー
錦織圭選手のショットチャートから、何を読み取るか 第2回ーバックハンドストローク、各ポジションからのコースー
第3回はフォアハンドストロークの各ポジョションからのコースについて、分析をしたいと思います。
上記青枠で囲んでいる場所は、ほぼ高い確率でフォアハンドでボールを打っています。錦織選手の武器はフォアハンドであるという事がよく分かります。
青枠よりも上のポジションでは、基本的にはバックハンドでボールを返球。
ただし10-27%の間でフォアハンドで打つ事もあります。
フォアハンドダウンザラインを打つ確率についてはどうか?
黄緑の枠に注目です。
ベースライン後ろからは、クロスコートが多いのが、ベースライン上からは51%の確率で、ダウンザラインにボールを打っています。
ベースライン上からのダウザラインの練習は必須である
ボールの落下地点は
決してボールの落下地点はベースライン近くというわけではないのが分かります。
クロスコートラリー練習では、ターゲットエリアをここに設定して練習しても良いですね。
コート中央からもコートの外に追い出すショットを
コート中央、ベースライン上からのショットチャート。
両サイドに同じだけの確率でボールを打っています。
現在のテニスは、この位置からコートの外に、相手を追い出す事ができるかどうかが大きなポイントだと私は考えています。
ラットショット、ウインドミルといったショットを用いる事で、相手をコートの外に追い出しやすくなります。
先日のフェドカップアジア予選の際にも、この位置から逆クロスに逃げるボールを打つ事が出来ないが為に、最終的に相手のバックハンドダウンザラインに苦しめられ逆転されてしまうといった試合を見てきました。
まとめ
フォアハンドストロークは、
ベースライン上からダウンザラインにコントロールする技術の必要性
コート中央ベースライン付近からは、両サイドに効果的なボールを打つ事が出来るように
ストロークの時のボールの深さも意識的に練習すること
第3回にわたり分析をしてきましたが、他の選手のショットチャートを見ればまた別の結果が出てくると予想出来ます。
こうでなくてはいけないという考えではなく、世界のトップ選手はこのようなボールコントロールをしているという事を数字から客観的に理解し、より効率的で効果のある練習を出来るように考えています。
それにしても、このようなデータが多く出て来れば、対戦の時に役立てていくプレーヤーは増えていくでしょうね。