一般的に、振り遅れている事は分かりやすいが、打点が前過ぎであることには気づきにくい。
打点が前過ぎることの弊害として、自分のイメージよりもボールが上がってしまう、距離が短くなる、ラケットを振り切れなくなるといった事が挙げられる。
なぜ打点が前過ぎてしまうという事が起こるのだろう。
私はこれがインパクト時の目線及び顔の方向が原因であると考えている。
ジョコビッチ、フェデラー、アガシ、ベルディヒといった選手のフォアハンドが私は好きなのだが、彼らのフォアハンドを正面から見ていると、体を捻ってテイクバックをした後、これまで正面を向いていた顔がインパクト付近でほんの一瞬横顔が見える事が分かる。
2023年北京オープンの準決勝を勝利したメドベのフォアハンドのインパクト。
ATP TourのTwitter(出典)
ATP TourのTwitter(出典)
最初は正面から飛んでくるボールに対して顔は前を向いているが、インパクト時では顔も目線も、打点(ボール付近)に向かっているのである。
基本的に、体の構造上、一番力が入るのは体の前である事は間違いない。ただこの打点で打つためには、上記に記したプロ選手のフォアハンドの様に、一瞬打点方向に顔を向ける動作をする事で、その打点でボールを打つことが意識しやすくなる。
ボールを引きつけるという表現も、この動作を誘発しやすくなるのだろう。
この考えをもとに、一般クラス・ジュニアクラスで、安定したフォアハンド、しっかりボールを潰せているフォアハンドを打っている方とそうでない方を比べると、あながち間違いではないだろうと考えている。
これまでよくボールを吹かしてしまう、なぜかいつも少しだけアウトしてしまうという方が、ボールの高さが安定して、本人もインパクト時にボールをストリングで掴んでいる感覚があるというコメントを頂いた。
私も同じくこの感覚を経験してきているので、「一瞬の横顔」が役に立つ方がいる事は間違いない。
緊張した場面で、上半身に力が入って、ミスをしてしまう方もこの打点の違いが大きな原因でないかと推測している。
ぜひ試してもらいたい、一つのテクニック「一瞬の横顔」
皆さんのフォアハンドの安定に役立つことを願っています。
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