錦織の”に”・・・

テニスを愛する皆さんこんにちは

先日、日本に帰っていた時に、ハンブルグで知り合った、
プロサッカー選手のマネージャー、大学の物理の先生、
(もう一人居いましたが、ここでは伏せておきましょう)達と、
夜遅くまで語り合う機会がありました。

それぞれ若い選手や学生達と関わる仕事なので、様々な
意見交換や現場での話を聞く事ができました。

その時に私が話した内容には、一同絶句していました。


今年のUS OPENでは、錦織圭選手の活躍が国内外の
メディアで大きく報じられ、現地に居る日本人はテニスに
興味が有る、無しに関わらず彼のプレーを一目みたいと
思った事でしょう。(彼を誇りに思った人も多かったはず)

この大会のジュニア部門には、日本の高校の代表選手も
主催者推薦と言う形で参加していたのですが、そこには
高体連のテニス部の幹部達も引率(視察?)と言う形で
ニューヨークに来ていました。

私が驚いたのは、彼ら幹部は錦織選手の活躍に対して
殆ど興味を示さない、試合を全く観ない、錦織の”に”の
字もタブーという、私には理解に苦しむスタンスを取って
いました。(タブーって言う事は興味があるということか?)

高校テニスを通過していない人間の活躍を、認めることは
出来ないと言う事なのでしょうか?でも試合くらい観ろよ!
と思ってしまいます。(一応テニス人として・・・ねえ)

私は、ワールドクラスを目指すには、高校テニスを通過して
いては、時間と経験を得る事が出来ないと考えています。
余程の天才で無い限り、その時間と経験の溝を埋める事は
難しいでしょう。しかし、高校テニスに価値が無いとは、全く
思っていません。

このブログを開設してまだ余り時間が経っていませんが、
その中で、”一部の人間しか良い環境を与えられない”と
いったような趣旨のコメントを何件か頂きました。

もしかすると、高校テニスのレベルの底上げというのが、
日本のテニスの平均レベルを上げる上で、非常に重要な
役割を担っているのかもしれません。

本来なら、高校テニスの代表としてUS OPENの視察に来ている
のであれば、まだ10代の錦織選手が、グランドスラムで戦って
いる姿を、その目に焼き付ける、感じた事を伝える、日本の高校
指導者達に練習風景などビデオにとって参考にしてもらう・・等が、
当たり前では無いでしょうか?

その人達も、テニスでは有名な高校の元指導者です、多くの
インターハイ優勝者を輩出してきました。「俺達が日本のテニスを
支えてきた」という自負もあるでしょう。

しかし、時代は既に変わっています。現場の指導者や高校生達に
少なくとも閉塞感を与えないような環境を作って欲しいと思います。

大学テニスからプロになる選手は、殆どが元々プロの選手になりた
かった選手達でしょう。しかし、高校卒業時には、まだ力が無かった。

中学卒業時に進路を選択する際、まだ力が無くて(or 様々な理由で)
高校テニスに向かう選手もいると思います。その選手達が目標を高く
持ち続けられる3年間になる事を切に願います。

コメント

  1. マイアミ さん : 2008.12.15

    こんにちは。いつも興味深く読ませてもらってます。
    コメントされてる皆さんは、深くテニスに関わられていて、一般人である私がコメントするには勇気がいりますが、今回のブログ内容にとても驚き、書いています。

    まさに絶句でした…

    日本人テニス選手の底上げ出来ない理由も解った気がします。

    『亜細亜、早稲田Fの合間に、高校選抜を覗くと、多くの大学スカウト、実業団の指導者が居たが、フィーチャーズで会うことは無かった。そこに違和感があった』

    とある雑誌の記事にありました。

    何か同じような臭いがします…

    返信

  2. 濱浦 さん : 2008.12.16

    マイアミさん
    コメントありがとうございます。
    私もテニスの業界に生きる人間ですので、このような事をブログにて書く事には逡巡がありました。

    小さな社会での事ですので、このような事は殆どの関係者は知っている事です。しかし、それぞれに利害関係があり、中々言い出せないのが現実です。

    そのような環境を作っているのは、実は私達(関係者)自身なのだと思います。

    高体連の幹部への批判と言う事ではなく、私を含めてテニスで生活している者全てが、責任を持つべき問題ではないかと思っています。

    返信

  3. マイアミ さん : 2008.12.17

    返信ありがとうございました。
    これからもブログ読ませて頂きます。

    返信

  4. abe Sachie さん : 2009.04.07

    浜浦コーチへ 
    今年の選抜高校を覘き、感想はコートに入っている監督の先生が若くなっているな!その為か生徒達の体全体を使用したプレーは全体的にすごく良くなっており、底辺の層は厚くなっているな!但し群を抜いて強いと感じさせる選手層は非常に薄かったです。違和感を感じたのは掲示板へ下記の選手は出場できません!との案内。察するに高体連45日間遠征ルールをOVERした選手なのかな? そうであれば残念だ。まあ高校大会経験へ出れないリスクをおってでもITF Juniorの選択をし、将来に向かって行動しているのも意識を高く持つことに繋がるから良しかと自分に言い含めました。しかし本当に子供の事を考えるとやはり強い違和感を感じる。時代に反比例してないか? 答えは明らかに反比例しているよ! 高い競争の中で切磋琢磨の経験の場をいかに多く持つか?が重要なのに!!
    全国の強い子供達が一同に集まり切磋琢磨するのは何時? 全国選抜高校・全日本ジュニア・インターハイ・全日本ジュニア室内(多くのTOPは遠征中)です。3大会中2大会出場を阻みどうやって強い選手を排出するのか? 高校3年間が世界へ飛び出す選手として成功KEYを大きく握っている事・そこに向かい会う責任は重大だという危機感を感じている学校の先生が幾人いるのだろうか?
     亜細亜大へ大分の中学生を練習参加させて頂きに4/4に訪問。堀内監督とテニス談義が始まり、今年1月JTAの高体連の先生達の指導者講習会へ多くの先生が参加された事を聞きました。
     その講師が何と丸山薫君・横松コーチ・堀内さん! それを聞いただけで私の心は弾みましたね。投石をするに値する人達ですからね! 彼らの情熱を考えるだけで現場を想像できますよね。
    堀内監督は「高体連の先生方はデ杯の○・○・○ フェドの○・○・○を輩出したと誇らしげに語ってますが今の高校生の大会に日本ジュニアのTOPは出場していないではないですか?それよりも締め出をしています。この事は近い将来、強くなりたい選手は誰も高校大会へ出場せず、全国高校の大会レベルは著しく下がり、デ杯選手・フェド杯選手の輩出することも不可能になるでしょう。高体連参加の先生方が高体連からTOPの選手を輩出する道をつくる必要があるのでは? 日本全体で選手育成へ取り組む必要があります。」との事などを聞き、高体連の先生方に変化の輪が広がってほしいと強く願いました。
    ジュニア指導に取り組んでいる現場コーチもカンファレンス・セミナー参加や国際大会など勤務最中に無理をし工面し会場へ出向き勉強をしています。一番飛躍する高校3年間を担当する全ての指導者に「現在のテニスとこれからのテニス」について勉強する機会を求めて生徒に携わってもらいたいです。
     強いジュニア生徒を抱える高校の先生方は1度で良いから、海外の大会(出来ればグランドスラム大会)へ生徒引率なされば、現在何が必要とされているかを肌で強く感じれるでしょうね。その指導者の多くはジュニア時代・大学生時代に選手だった方ばかりですからね。
    高体連はUS Open派遣に選抜高校 団体戦優勝・準優勝の高校監督および個人戦優勝・準優勝者の指導者を派遣させれば、すぐに高校のレベルは大きく伸びるでしょうね。 彼らの視点は日頃の生徒の指導と 預かった生徒のレベルをいかに最大限に伸ばそうかと考えてられるからです。 指導者が外を観る! これが一番の特策ですよね。 ジュニア選手が海外遠征を体験し、夢を大きくさせ進み始めれますからね。大人も同じ事!
    実現を強く願っています。
    故、光国先生(黄金時代を築かれた園田学園高校監督)がウィンブルドンへ伊達っくの応援へ行かれた時「 もっと早く此処に来ていれば!!」 が第一声だったそうです。 
    私の一人言と 聞き流してね。

    返信

  5. 濱浦 さん : 2009.04.07

    さっちゃん
    コメントありがとうございます。
    モロッコにて悪戦苦闘中の私は、さっちゃんの
    激励を受けた気分です。

    そのうち、ドイツに遊びにおいでよ・・・
    さっちゃんは、いつでもウェルカムだよ。

    ありがとう。

    返信

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