遅攻、、、？

テニスを愛する皆さんこんにちは

数日前の投稿（勤勉さ、、）の中で「テニスは単調な
プレーの繰り返し」と書きましたが、これは、単調な
リズムや単調な戦術でも良いという意味ではもちろん
ありません。（やっつけ仕事でした、、と反省中）

テニスの試合ではゲーム事にサーブ側とレシーブ側に
別れ、デュース、アドサイド等、ポイントのスタート
地点が基本的には常に決まっている事、そして多くの
場合ファーストサーブもしくは３本目のショットの精度
（及び戦術）でポイントの趨勢が決まる流れを延々と
繰り返すと言う意味で「単調」という言葉を使いました。
（故にコンシスタンシーが何より重要です）

海外で日本人選手の試合を見ていると苦しい場面で
必ずと言っていい程、プレーのスピードを上げてしま
い逆に状況を悪化させるケースを目にします。相手の
方がポジションが良い状態で無理にスピードを上げて
もゲームをコントロールする事は出来ません。
（これを単純にサーフェスのせいにしてはいけません）

言葉で説明するのは難しいので最近の選手の例では
オーストラリアの若手のトミッチという選手をあげ
てみましょう。今年の全英で１０代ながらベスト８に
入りました。

１２歳以下から名前の知られていた選手ですが、評価は
大きく別れるものでした。「将来伸びない」と言ってい
たコーチや関係者の多くは彼の動きの遅さを指摘しまし
た。「あの足の動きじゃプロでは通用しない」と、、。
ふむふむ確かに豪快な一発があるって訳でもない、、、。

今年の全豪でボブブレッドさんとの情報交換の中で「
将来のトップ１０候補」の中にトミッチの名前が上がっ
たので意外に思い（ボブさんの好みのタイプでは無さ
そうなので）色々と聞いてみました。中身の多くは企業
秘密ですが「彼は彼のやり方で守る事が出来る」という
事を言っていました。

その後、ツアーの選手に色々と話を聞いていくと多くの
選手が「彼はゲームをスローダウンさせるのが上手いから
攻めにくい」「こちらがペースを下げるとすぐに攻めて
くるのでリズムを掴みにくい」という事を口を揃えて言っ
ていました。実はプロの連中もゆるいボールを打ちながら
速く動くのは苦手なのです。（これは凄く大事）ある程度
速いテンポの方がラリーが簡単な事は我々もトッププロも
同じです。（ここは大切な鍵の一つです）

日本人選手でゲームをスローダウンさせるのが上手いのは
圭と見た目はゴツイですが内田カイチ君です。ゲームを
スローダウン出来るのはとても目がいい証拠でもあります。
故に彼らはリターンセンスにとても優れています。

ゲームの変化や戦術について取り組む時に、スローペース
で局面を変える、相手のリズムを狂わす、そして攻撃への
素早い切り替えを意図する戦術は世代とレベルを問わずに
取り組むべきでしょう。

遅攻？なんか格好悪いなという貴方！これは最も高い技術と
ある種のセンスが必要とされるスタイルです。これが全てと
はもちろん言いませんが、小さい頃に身につけておいて絶対
に損は無いと断言します。

もうひとつ、、、ただ遅いだけでは意味はありません。

攻守の切り替えがキーポイントです。

ではまた