テニスを愛する皆さんこんにちは
何年か前の海外遠征の時の事です。選手の一人に「00
コーチは試合(世界大会)に来ないの?」と聞くと、「来ま
せんよ、00コーチは貧乏ですから」との答えが返ってきま
した。 ちょっと驚いてしまいました。
コーチ=貧乏という事にではなく、(それも問題だが)「コーチ
が自費で試合を見に来るのは当たり前?」という事にです。
「君がお金払って来てもらうべきじゃないの?」と話したと
思いますが、同じく引率されていたコーチは「その感覚は
日本のジュニア達には無いかも知れない」と言っていました。
テニスというスポーツの選手とコーチ(指導者)の関係は、
他のスポーツとは異なると思います。
多くのスポーツは団体(プロチーム含む)や学校から、指導者
が雇われ、その指導者が選手を選んで指導すると思います。
テニスの場合も、クラブや学校単位でコーチを雇い、クラブや
学校に月謝を払った生徒達が、その指導者にテニスを習うと
いうことがジュニアや高校生の間は続くと思います。
その関係は、プロを意識して活動を始めると大きく変わります。
16~17歳くらいで海外のサーキットを回り始める頃には、
選手と親がコーチを捜して、選んで、雇って遠征するという
形になると思います。
これは大変な事です。大きな経費がかかる、コーチの給料を
払う責任もある、仕事をして相性が悪ければ、契約を解消
しなければならない。 (ジュニアでも普通の事です)
こんなスポーツは中々無いと思います。
幼少の頃、世界への扉を開くのはコーチの仕事だと思います。
しかし、世界で戦うにはコーチに”連れて行ってもらう”では、
ありません。コーチを”連れて”世界で戦うが正解です。
この事を理解する事は、コーチにとっても選手にとっても、
本当に大切な事です。お互いの責任を知る上で・・・。
よく、選手の強化において指導者や協会等の、責任を問う事
がありますが、テニスのプロを目指す場合、実際には責任の
殆どは選手と親にあると思います。
言い換えれば、どんな環境であろうとも、親と選手の意識が
高いものであれば、十分に勝負できるという事です。
また、そうならなければ指導者のレベルも上がる事は
無いでしょう。
クビになった事のないプロの指導者なんて価値は無いだろう。