先日ユニバシアード参戦のためにバンコクに来ている森監督からテニスマガジンを頂いた。そこでの別冊でインターハイ特集が組まれていておりとても懐かしい思いにさせられた。たぶん多くの人も同じ気持ちで見ていると思う。
インターハイ恒例というのか当時もよく言われていたのだけど、改めて結構当時著名な選手が早々負けている。スコア表を見ているとQFから3セットそれまでは8ゲーム、1セット、僕の時は早い段階で3セットだったけど、今回この本を見て思ったのはインターハイといういわゆる進路、将来が決まる試合なのに1セット、8ゲームというのは考えてみるととても酷でありそれを超えておかしいトーナメントだなと思う。クラブ内の試合やその他ジュニアの試合だったらまだわかるが、高校生の全日本選手権であり自分の進路、将来を左右する試合である。多分この試合に魂、人生をかけて挑んでいる選手も多いはずである。皆さんもご存じの通り1セット、8ゲームと3セットは全く違う戦い方である。
1セットはゲーム、ポイントすら捨てれないし、8ゲームはセットを捨てることが出来ない。6ゲームより長いのでラッシュのかけ方がとても難しい。トップの選手になるならば同じ条件の中で勝たなくていけない。そう言いたいのかもしれないが、テニスというのは当然とインターナショナルなスポーツであり国際基準にのっとって行わなくては大会の意味、意義がないのではないだろうか。例え負けたとしても精一杯出し切って(出し切れなくとも)納得いく負け方をしたい。プロになってATPの試合をまわっていて1セット、8ゲームの試合などありえない。はじめから運営的に難しく無理なことしているのではないか?トーナメントを行うじたい間違えなのではないかと思ってしまう。反対にとらえ方を変えてみると誰にでも上位に行く(スリーセットになった時点で勝つことは難しいと思うが)チャンスのある試合なのかもしれない。そういう意味では一発勝負で未来をつかむチャンスのある試合なのかもしれない。だがとても博打性の高い試合であり僕はあまり好きではない。日本特有の不平等主義がここにも現れているのかもしれない。
そんな事はどうでも良い。どうでもいいとは人生をかけている高校生選手申し訳ないがそう思ってしまう。
話はかわるけどこの本を見ていてとても懐かしい。僕は本村にファイナルタイブレークで敗れ当然と悔しい思いをしたと思う。というよりかかなりの体力を消耗した思い出がある。かといって僕はそこで燃え尽きたかというとそうではない。その年に全日本選手権ベスト8にはいり、ジャパンサテライトで初ATPポイントを取得した。オリンピックの選考会で日本のトップ選手8~10人と総当たり戦を勝ち抜き、2人の枠の中の日本代表に選ばれ、アジア予選でもう一つ勝てばバルセロナに行けた。オリンピック選考会はバルセロナに向けてSSCのクレーコートで試合があったが、運動力学的に相手のバランスを簡単に崩すことができ「こんな簡単にエースが取れるのだ」と発見し高校卒業後コロンビアに一人で行きクレーコートで戦おうと決めるきっかけとなったとても貴重な経験をした試合であった。
インターハイ後は肉体的に立ち直るのに少々時間がかかったが(熱射病になった)僕自身インターハイで発見した自分のウィークポイントを一つ一つ克服していくことを心に決め、同じ過ちを繰り返さないように一試合一試合その中で修正していった。(試合中のメンタルの部分が問題であったためいくら練習しても試合で克服をするしかなかった)そしてこれからプロを目指す中で何をしなくてはならないのか本能的にわかっていたのだと思う。なものでフィジカルは消耗していてもスピリッツはそんなこといっている暇がなかった。
もう今年のインターハイは終わってしまったが、挫折をした選手も多いであろう。しかしそれがすべてではないし勝負の世界である。これから一生負けない事なんてありえない。負けたら次を頑張ればいい。次の試合で克服すればいい。ただし試合前から他人に、そして自分に対して言い訳をするようなことはしないで欲しい。全力を尽くすこと、その瞬間に魂を込めてチャレンジすることが大切なのである。
コメント
厳しい勝負の世界で長く戦ってきた
金子さんにしか書けない内容ですね
今年のインターハイで色々な事を経験した高校生に
とてもいい言葉がたくさんありました
この思いを日本のジュニアテニスの指導で活かして欲しい
と思うのは私だけでしょうか(^^)
あのテニマガ別冊特集で、タイムスリップした一人です。
悔しい思い、ぶっ倒れて大会ドクターからTKOを出されて病院送りの夏…。1日で回復したけどね。
英樹君の言う、言い訳しないで次に向かう姿勢に賛成。
過去や未来に囚われないで、「今」やるべきことを一生懸命やり尽くす。
これが出来なければ、理解できなければ強くなれない、と今更ながらに感じるこの頃です。
インターハイ・全日本ジュニアとジュニアの試合が続いてます。シンガポールで育った(キャンプも含めて)ジュニアの活躍を見て喜んでいます。
英樹さん・オッティのまいた種がちゃんと育っているのね。
これからますます楽しみです。
英樹さんの活躍も!
娘っこから連絡あった?
またお世話になるようで。^^;よろしくね。
Reikoさん
高校生に負けないように僕も頑張りますね。
いさおPHさん
あの本は皆当時にタイムスリップして見てますよね。
ポーラママさん
ゆきちゃんにはママさんも誘うように言ってあるのでもしこられるようでしたら川の字で。