9月25日(火)東レPPO本戦3日目。
森田あゆみが第5シード世界6位、ケルバーを相手に健闘したが敗れた。
第2シードのシャラポワは大苦戦の末に3回戦に進んだ。

ダブルス1回戦を戦ったクルム伊達公子だったが惜しくもファイナル・セット、マッチ・タイブレークの末に敗れた。
森田あゆみ、クルム伊達公子はWTA北京予選出場のために中国に移動する。

26日(水)は全ての3回戦が行われる。
シャラポワは第3試合に登場。
17時以降にウォズニアッキ対李娜、続いてNO.1ランキングのアザレンカ対USオープ8強のビンチの試合がイブニングセッションに予定されている。
イブニングチケット2000円
9月24日(月)~27日(木)の期間、各日16:30より有明コロシアム「チケットBOX」にて発売。
チケット情報

<2回戦>
●森田あゆみ 3-6 4-6 ○5)A.Kerber (GER)

1回戦で31位を破った森田あゆみが世界6位のケルバーに挑んだ。

ケルバーは24歳、173cm、左きき、今年はパリ、コペンハーゲン優勝。
ウィンブルドン4強、全仏8強になっている。

ケルバーサーブのオープニングゲーム、森田のバックアングルリターンエースで15-40とブレーク・チャンスを掴む。
惜しいストロークミスでアドバンテージケルバー。
ここでまた森田のバックダウンザラインリターンエース。
4回のジュースの末にケルバーがキープ。

森田の第2ゲーム、サービスセンターエース。
また、森田は先にフォアダウンザラインへ攻めていく。積極的だ!キープ(1-1)

森田の第4ゲーム、森田のストロークが深く、動きもいい。40-0、集中力もあってとてもいい状態だ!
ケルバーのフォアリターンエース。セカンドになるとこの叩くリターンがあるから気をつけなければいけない。
ケルバーは森田のフォアアプローチを読んで、パスを沈める。そして、ボレーボレーからケルバーはフォアダウンザラインボレーウィナー。
ボレーはテクニシャンではないが、読む能力はあるケルバー。
このゲーム、森田は40-0から落としてしまった。(1-3)

ケルバーは速いボールに対してはバック膝が突くぐらいに低く、腰を回転させて打つ独特のショット。
これでバッククロスウィナーをカウンターパンチのように打つ。

ケルバーは読みも良い、森田の回り込みフォアダウンザラインを読んでバックアングルパスウィナー。読んで走って当たるところがすごい!
打ち方や雰囲気をわかっている。

森田もドロップからスマッシュエースなど工夫しながら戦う。

第6ゲーム、森田は5回のジュースの末、ベースライン後方からバックダウンザラインウィナーで見事にキープした。
ケルバーもいいが、森田の調子もとても良い。

ケルバーが想像以上に良いプレーをして第1セットを取った。さすが世界6位のプレイヤーだ。

第2セット

森田のサーブで始まる。
サービスセンターからバックアングルウィナー。1-0キープ。気持ちいいキープだ!

森田の第3ゲーム、ロブも取り入れてからフォアダウンザラインウィナー。森田は良いテニスをしている!
ドロップを森田はランニングバックダウンザラインへ深く打つ。手首をクリッと使ううまく使った!キープ(2-1)

ちょっとやそっとじゃ崩れない感じのケルバー。
森田は自分から仕掛けて入り続けて、ウィナーを取る姿勢を見せるが、「思うように攻め切れた展開でも返してくる。凄い。」と森田。

第5、第7ゲームのサーブを落とし、森田は2-5とピンチを迎える。

5-2、ケルバーのサービィング・フォア・ザ・マッチ、40-15とマッチ・ポイントを握られる
「1ポイント、1ポイント、ベストを尽くそうと思ってプレーしていたので、相手のマッチ・ポイントでもポイントを取りにいく気持ちでプレーした。」と森田。

最初のマッチ・ポイントはナイスリターンからフォアのクロスを深く打ち切り、ケルバのミスを誘う。
2つ目のマッチ・ポイント、左右に振られるがよくしのぎ、バックのクロスを鋭角に!ケルバはそれが届かない。ジュース

森田は積極的なプレーでブレーク・ポイントを握るが、ケルバーもしぶとい。
3度目のジュース、ケルバはサービス・エースで3回目のマッチ・ポイントを握る。
森田は深いリターンから、フォアの逆クロスそしてスマッシュで4度目のジュースに持ち込む。

4度目のジュース、ケルバーの深いボールは「アウト!」のコール、しかし主審はオーバールースでインの判定をする。
すかさずチャレンジする森田、スローモションは僅かにアウトだ。
ここで森田はケルバーのバックにはなたれたファーストサーブをダウン・ザ・ラインにリターン・エース、土壇場でブレークに成功する。

自信を持ってすぐに主審のオーバールールをチャレンジした姿勢も感心したが、このチャンスをリターン・エースで決めた強気の姿勢も凄い。
プロテニスプレイヤー森田あゆみを感じた。

そして15-30となるが、3ポイント連取、しっかりと次のサーブをキープし、次のゲームに望みを託した。

ケルバーのサービィング・フォア・ザ・マッチ、積極的にドライブボレーを決め15-15とする森田。
バックのダウン・ザ・ラインに先に展開、短くなったボールを決めて、30-30と森田は食い下がる。
ほとんど攻め勝った森田だったが、ケルバーは体を崩しながらもショートバウンドでバックのクロスパスを鋭角に決めた。
さすが世界6位、見事なカウンターショットだ。森田はボレーの姿勢ができていたがボールの軌跡を追う事しかできなかった。

4回目のマッチ・ポイント、ラリーが続く。攻める森田、それをしのいでいるケルバー。
10回目のショット、森田はアングルをつけて攻撃、バッククロスを放つが、そのボールはほんの僅かにワイドになってしまった。

ケルバーはハードヒッターとしてツアーでは通っているが、そのハードヒッターを上回る良いラリーを森田はしていた。
何か飛躍のきっかけを今年の東レPPOでは掴んだような戦いぶり、これからの活躍が期待できる森田のテニスだった。

森田あゆみブログ
森田あゆみ WTAデータ 1990年3月11日生まれ 22歳

<ダブルス1回戦>
●クルム伊達公子/荘佳容 1-6 7-5 [5-10] ○Goerges/Z Strycova(GER/CZE)
ダブルスドロー
クルム伊達公子ブログ
クルム伊達公子 WTAデータ 1970年(昭45年)9月28日生まれ 41歳

大会データー:
東レPPO
$2,200,000 WA Premier 東レPPO
予選 2012年9月21日(金) 22日(土・祝)
本戦 2012年9月23日(日)~ 9月29日(土)
有明コロシアム及び有明テニスの森公園コート
チケット情報

<全3回戦>
1)V. Azarenka (BLR) vs 14)R. Vinci (ITA)
5)A. Kerber (GER) vs U. Radwanska (POL)
3)A. Radwanska (POL) vs Q)J. Hampton (USA)
7)李娜 (中国) vs 10)C. Wozniacki (DEN)

6)S. Errani (ITA) vs 9)M. Bartoli (FRA)
17)N. Petrova (RUS) vs P. Martic (CRO)
8)S. Stosur (AUS) vs 12)D. Cibulkova (SVK)
2)M. Sharapova (RUS) vs 16)L. Safarova (RUS)
オーダー・オブ・プレー
ライブ・スコア

<2回戦>
●森田あゆみ 3-6 4-6 ○5)A.Kerber (GER)

<1回戦>
○森田あゆみ 6-2 3-6 6-2 ●S. Cirstea (ROU)
●クルム伊達公子 1-6 4-6 ○M. Bartoli (FRA)
●奈良くるみ 2-6 4-6 ○U. Radwanska (POL)
本戦ドロー
予選ドロー

(記事 テニスジャパン 塚越 亘&森下 泰 写真 伊藤功巳&鯉沼宣之)