錦織圭(テニス)米国フロリダ州マイアミで開催中のソニー・オープンは現地時間24日、男子シングルス3回戦が行われ、第13シードの錦織圭がグザビエ・マリスと対戦。6-2、7-5でストレート勝ちし、4回戦へと歩みを進めた。

強風が吹き抜ける難しいコンディション。そして相手は、アカデミーで幼い頃から何度も練習してきた、尊敬する先輩選手。錦織にしてみれば、やりににくい試合だったはずだ。

だからこそ、立ち上がりが重要だった。

「出だしを悪くしてしまうと、相手を上に見てしまいプレーが悪くなる可能性があった」

試合前にそう感じていた錦織にとり、第1セットの第3ゲームをブレークしたことは、大きな意味を持ったろう。0-40とリードしながらデュースまで追い上げられるが、次のポイントでネットに出てくる相手のボレーを3本しのぎ、最後はフォアで会心のパッシングショット。早々にブレークに成功したことで「対等な目線で戦えた」と錦織。第1セットはこのブレークを機に、試合の主導権を完全に手中に収めた。

第2セットも錦織が先にブレークし幸先良くスタートするが、選手間でも天才肌のプレーヤーとして恐れられるマリスが、徐々にそのセンスを発揮してくる。錦織のセカンドサービスをドロップショットで返したり、スライスの打ち合いから突如としてフォアをフラットで打ち込むなど、変幻自在なプレーで錦織を崩しにかかる場面も増えてきた。だが「決められるとやはり悔しさもある」という錦織は、抉るようなフォアの鋭角のストロークやロブなども打つことで、マリスの揺さぶりをも封じていく。勝負どころの5-5からブレークし抜けだすと、続く自分のゲームをキープし、もつれた第2セットに終止符。「相手が乗ってくる前に終わらせたかった」という、狙い通りの展開だ。

これで2年連続で4回戦に進んだ錦織の次の相手は、今年1月の全豪オープンでも4回戦で対戦したダビド・フェレール。その時は、ヒザの状態が万全でなかったこともあり、ストレートで敗れた。次の試合で錦織は、2カ月前のリベンジと同時に、自身初となる同大会ベスト8進出を目指す。

――2年連続でのマイアミ4回戦進出の気持ちは?
錦織:まだまだですけれど、これが普通になってくれば自信もついてくる。この先強い相手との対戦になるので、ここからです。

――次はシード選手のフェレールだが、手応えは?
錦織:もう少し調子が上がってきてくれれば。サービスの確率などまだまだ悪いところはあるが、ここからまた上げていきたい。

――今日のサービスは、何割くらいで打っていたのか?
錦織:前の試合と同じくらいです。まだまだ100%とはいかないですね。

――手の内も知った相手だと思うが、どう戦うか?
錦織:体力もまだ残っているし、今回は3セットなので、1ポイントずつしっかりと、無駄なミスを減らしていきたい。あとはアグレッシブに、要所要所でネットにも出ていきたい。

写真は、ソニー・オープン3回戦でマリスに快勝した錦織
Photo by Hiroshi sato