ロンドンで開催中のウィンブルドン選手権は5日に女子ダブルス準決勝を行い、青山修子/シャネル・シェパーズ組が第8シードの謝淑薇/彭帥組と対戦。4-6、3-6のストレートで敗れ、日本勢として6年ぶりの決勝進出はならなかった。
青山たちがこれまで対戦してきた相手は、強烈なストロークを誇る大型選手たちが中心。だが準決勝で戦った台湾(謝淑薇)と中国(彭帥)のアジアペアは、少しばかり系統が違っていた。フォア・バックとも両手で打つ彭帥の安定感と、トリッキーで相手の動きを読むのが上手い謝淑薇の技。それらが噛み合うと独特のリズムを生まれ、対戦相手の弱点をついていく。
この日の青山たちも、そんな試合巧者のペアに流れを掴ませてもらえなかった。自分たちの最初のサービスゲームでいきなりブレークされ、先行する相手を追う展開に。その後も互いにブレークしあう混戦となるが、この日の青山/シェパーズには、これまでのように勝負どころで一気に加速する勢いが無かった。
「流れが来そうなところで、謝淑薇に逆をつかれてリズムに乗れなかった。センター(青山とシェパーズの間)にボールを集められたこともあって、いつもなら思い切ってポーチする場面でも、躊躇して足が少し止まってしまった」芝を得意とする謝淑薇の巧みな戦略に流れを断ち切られ、あと一歩を詰め切れなかった。
第2セットに入っても、試合の大勢は変わらない。相手の先行を許し、ブレークバックし追いつきかけるも、その次のサービスゲームをどうしてもキープしきれない。最後のゲームでもデュースまで持ち込む粘りを見せるが、逆転劇を演じるには至らなかった。
「やはり悔しいです。一方的にやられた訳ではなく、チャンスもありましたから…」
試合後の青山は、開口一番、そう口にする。ウィンブルドンベスト4という結果以上に、目の前の試合に敗れた現実を青山は悔いた。それでも「(グランドスラムベスト4の)実感はないけれど、結果を見れば自信につながります」と、控えめな口調で柔らかな笑顔も見せた。
「今回ここまで勝ち進んで、優勝することは凄く価値があると思った。それを狙える位置に居るのであれば、グランドスラムの優勝も視野に入れていきたい」
今大会で手にしたのは、2人合わせて7万5000ポンドの賞金と確かな自信。そして大きな夢への手がかりだ。
写真は、ウィンブルドン準決勝に臨んだ青山とシェパーズ
Photo by Hiroshi sato