男子テニスツアーの最終戦であり、上位8名しか出場できない狭き門であるATPツアー・ファイナル。残り2枚となっていた出場権をスタニスラス・ワウリンカ(28歳、スイス)とリシャール・ガスケ(27歳、フランス)が獲得した。現在開催中のBNPパリバ・マスターズにて、ミロシュ・ラオニッチ(22歳、カナダ)が3回戦で敗退したため、2人に出場権が手渡された。

これで今季最後のビッグタイトルを争う8人が出揃ったことになる。今年2月の復帰後から勝利を積み重ねている王者ラファエル・ナダル(27歳、スペイン)を筆頭に、ディフェンディング・チャンピオンのノバク・ジョコビッチ(26歳、セルビア)、ダビド・フェレール(31歳、スペイン)、フアンマルティン・デルポトロ(25歳、アルゼンチン)、トマーシュ・ベルディハ(28歳、チェコ)、そして最終戦6勝の最多勝記録を持つロジャー・フェデラー(32歳、スイス)らがすでに会場であるロンドンにあるO2アリーナへの招待状を受け取っている。

本来であれば、今年のウィンブルドン覇者であるアンディ・マリー(26歳、英国)も出場者に名を連ねていたが、今年9月に受けた腰の手術からの回復を優先させるため、出場を辞退している。

ワウリンカにとっては今回が初めてのツアー・ファイナル出場となり、2人のスイス勢が最終戦シングルスに出場するのは史上初のこと。一方のガスケは、2007年以来2度目の出場となる。2007年のツアー・ファイナルは、中国の上海で開催されていた。

世界ランク17位として今シーズンをスタートしたワウリンカは、マドリッド・マスターズで決勝進出、USオープンで自身初となるグランドスラムでのベスト4進出を果たすなど、キャリアベストともいえるシーズンを過ごし、念願の出場権獲得となった。

一方のガスケはトップ10の一人として今シーズンをスタート。3大会でタイトルを獲得し、USオープンで2007年以来となるグランづスラム4強入りを記録するなど、安定して好成績を残している。

2009年からはロンドンの中心部にあるO2アリーナで開催されているATPツアー・ファイナルは、過去4年間で100万人を超える観客を動員している世界最大級のインドア・テニストーナメントであり、出場者8名はまず2組に分かれて総当たりでラウンドロビン・ラウンドを行い、各組の上位2名が決勝トーナメントに進出する。