20日、オーストラリアのメルボルンで開催されているテニスのグランドスラムである全豪オープンは男子シングルス4回戦が行われ、第16シードの錦織圭(24歳)は第1シードのラファエル・ナダル(27歳、スペイン)と対戦。1万4000人以上を収容できるロッド・レーバーアリーナで行われた試合は、7-6(3)、7-5、7-6(3)でナダルが勝利。3時間を超える死闘の末にベスト8進出を決めた。

気温35度以上の酷暑が続いた先週とは打って変わって、この日の気温は20度台前半と、まさにテニス日和。無尽蔵のスタミナを持つナダルに対し、錦織にとって不利となる条件が少なくなった環境となった。

満員の観客が見守る中で始まった試合、錦織はオープニングゲームで立て続けにミスを重ねてしまい、いきなりナダルにブレークを許してしまう。しかし第4ゲームでナダルのミスを見逃さなかった錦織は、ブレークバックに成功、試合を振り出しに戻す。

第1セット第6ゲーム、4回ものデュースを繰り返す長いゲームで錦織はブレークチャンスを掴んだものの、ダウンザラインに仕掛けたフォアをミスしてしまい、ナダルにキープされる。その直後の第7ゲーム、錦織は0-40とピンチに直面するが、ドロップショットなどを決めてキープすると、試合は両者一歩も譲らぬ展開となる。

タイブレークに入っても息づまる展開が続いたが、2-2から錦織のミスが続き、6-2とナダルがセットポイントのチャンスを迎える。ここから錦織は1ポイントを返したが、最後はボディに放たれたナダルのサーブをリターンできず、第1セットはナダルが1時間5分で先取する。

この日のデイセッションのメインイベントにふさわしい内容で第1セットを終えた両者。ここまで5連敗を喫しているナダルに対し、錦織はラリーでも互角と言っていい展開を見せている。対するナダルは、この日はサーブが好調。6本ものエースを決めるなど、サーブを起点にプレーのリズムを作り上げている。

ナダルのサーブで始まった第2セット。序盤はお互いにサービスキープに成功する展開だったが、第5ゲームで試合が動く。ドロップショットを決めたン錦織が15-40とブレークチャンスを迎えると、30-40からナダルがスマッシュをミス。錦織がこの試合初めてのリードを奪う。その直後の第6ゲームでは、錦織がジャンピングフォアを決めるなどサービスキープ、ゲームカウント4-2とする。

ナダルがサービスキープ後の第8ゲーム。30-0から錦織のダブルフォルトなどでナダルにブレークバックのチャンスが来ると、最後はナダルがフォアハンドのウィナーでブレークバック。ゲームカウント4-4となる。

その直後の第9ゲーム、ネットつめた錦織がナダルの逆をついてボレーを決めると、切り返したナダルが体勢を崩してコートに転倒。大事には至らなかったが、靴ひもが切れるアクシデントに見舞われ、靴ひもを交換するために試合が一時中断となる珍事が起きている。

そして第2セット第12ゲーム、錦織のサービスゲームをブレークしたナダルがこのセットも奪取。セットポイントでフォアハンドのウィナーを決めたナダルは、飛び上がって喜びを表現する。

2セットダウンと追い込まれた錦織だったが、第3セット第4ゲームでナダルにブレークを許してしまう苦しい展開に。しかし、第7ゲームでブレークバックに成功すると、第9ゲームでこのセット2度目のブレークに成功。ゲームカウント5-4とリードしてサービスゲームを迎える。だが、ここで決め急いだのか錦織が立て続けにミスを犯し、ナダルがブレークバック。

その後、両者ともにサービスキープして第3セットはタイブレークに突入。ナダルが4-1とリードを奪うと、錦織も連続ポイントで追い上げるが、最後は3ポイントを連取したナダルが勝利。これで両者の対戦成績はナダルの6勝0敗となった。

この試合で両者が決めたウィナーの数はともに36本と全くの互角。しかし、ミスの数では錦織の51本に対し、ナダルが28本と安定感の差が明暗を分けた。

錦織とナダルが初対戦したのは、2008年のクイーンズ大会のこと。その時に錦織はナダルから第2セットを奪う健闘を見せていたが、フルセット負けを喫していた。

またナダルは、相手が途中棄権した1回戦を含め、3回戦までに失ったゲーム数はわずかに18だったが、この試合だけで17ゲームを錦織に奪われている。ナダルは準々決勝で、第22シードのグリゴール・ディミトロフ(22歳、ブルガリア)と対戦する。

全豪オープン

男子シングルス
4回戦

○ラファエル・ナダル[1] 7-6(3) 7-5 7-6(3) ●錦織圭[16]

3回戦

○錦織圭[16] 7-5 6-1 6-2 ●ドナルド・ヤング

2回戦

○錦織圭[16] 6-1 6-1 7-6(3) ●ドゥサン・ラヨビッチ

1回戦

○錦織圭[16] 6-3 5-7 6-2 4-6 6-2 ●マリンコ・マトセビッチ
アンディ・マリー[4] 6-1 6-1 6-3 ●添田豪