9月26日(火)、有明コロシアムにて開催中の 「東レ パン・パシフィック・オープンテニス」にて、今大会を最後に引退表明をしている土居美咲(ミキハウス)が1回戦を戦い、7-5 6-2のストレートでP・マルティッチ(クロアチア)に勝利した。

センターコートのイブニングマッチに組まれたこの試合は、土居の姿を見届けようと集まったファンたちで溢れていた。

「最後になるかもしれないけど、挑むからには勝ちたいと思ってコートに入った」という土居が、立ち上がりから持ち味の躍動感あふれるストロークを炸裂させ、3−0とスタートダッシュに成功する。

引退の引き金にもなった腰の痛みは、試合の後半で影響を及ぼすという。時折ストレッチをしながら「勝つならば先手必勝、離されたら後手に回る」という思いで、相手よりも早くエースを狙いにいった。

第1セットを7−5で奪うと、ファンの応援も一気に活気づく。第2セット、土居のサービスゲームに隙はなく、反対に高くトスを上げるマルティッチがサーブの調子を落とし、1ゲーム3つのダブルフォールトという事態に陥る。そのゲームを土居がブレークすると、ペースを掴んだ。フォアの逆クロス、バックのダウンザラインで観客を沸かせ、最後もブレークで2回戦へ進出した。

勝利に沸く観客席に、涙を見せて手を挙げた土居。「こんなに大きな声援を受けて試合ができたことは、今までになかったかもしれない」と感謝した。

勝利したときの感情を「うわ、勝っちゃった。最後じゃなかった!という気持ちだった」と笑顔で語る。

現役最後の試合のつもりだったが

「時間を与えないようにタイミング早く攻めていった。最後まで勝てるとは思っていなかったし、それだけいい選手。絶対戻ってくるだろうという緊張感の中、全てをやりきらないと勝てないという思いが、いいプレーに繋がったと思います」

2回戦は前週のグアダラハラで優勝したM・サカーリ(ギリシャ)。「フィジカルがいいし、タフな戦いになると思う。チャンスが少しでもあればと思いつつ、一生懸命戦いたい」

引退を決めたのは、1年間継続して戦うことが難しくなったから。
「状態が良ければまだ戦えると思っている」
土居のラストウィークは終わらない。

東レPPO1回戦
○[Q]土居美咲 7-5 6-2 P・マルティッチ●

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ダブルス 青山/柴原組、穂積/二宮組、加藤組など参戦
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オーダー・オブ・プレー

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TBS 準決勝、決勝放送

取材・保坂明美 撮影/鯉沼宣之