ATP500「木下グループジャパンオープンテニスチャンピオンシップス」が、有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コートにて9月25日~10月1日(本戦)に開催されている。25日はシングルスとダブルスの1回戦が行われた。

シングルスでは昨年ベスト4へ進出した望月慎太郎(木下グループ)が、センターコートの第4試合に登場。世界19位、フランスのU・アンベールに6-1 6-2で敗退した。

望月慎太郎 写真:鯉沼宣之

「ツアーでは今年結局一度も勝てていないし、去年のこの大会から一気に行きたかった思いはありましたが、思うようにはいかず、苦しい時間もかなりありました。自信があるかと言われたらそうではない。少しずつ成長している気はありますし、自分の感触としては悪くないと思いますが、不安は持ちながら過ごしている」と正直な胸の内を語る。

昨年獲得した180ポイントが消えることになったが、「ランキングは全く気にしていない」という。「(今の自分は)理想とはかなりかけ離れているし、もっとできるという思いはあります。葛藤は多いけど、それは受け入れてまた作りあげていけたらいい」と、前を向いた。

この日の最後の試合にセンターコートを沸かせたのは、34歳の錦織圭、18歳の坂本怜という16歳の年の差ペアだった。

第1シードのラモンズ/ウィズローと対戦した2人は、デ杯さながらの観客の声援の後押しもあり、第1セットをタイブレークで獲得する。第2セットは相手に許し、10ポイントのマッチタイブレークへ。

ここで集中力を上げた第1シードは、全米オープンベスト4のコンビネーションの良さを見せた。錦織曰く「スーパーびっくり」するような相手のプレーに、要所でプレッシャーをかけられ、錦織/坂本は7-6(6) 4-6 [6-10]で惜しくも敗れた。

錦織圭/坂本怜ペア 写真:鯉沼宣之

試合後、坂本は「憧れの選手とこういう舞台で試合ができて、まず楽しかったというのが第一にきます。次にやっぱりスコアが惜しかったので勝ちたかった」と言う。錦織は「めちゃくちゃ惜しいところまで行けたので、初めて2人でペアを組んで、どうなるか分からない中にしてはかなり良かったんじゃないかと思います。プレーも、スーパーショットも多くありました」と負けても充実の表情を見せる。

また、錦織は坂本について「これだけいいサーブの選手と組むことは少ないので、前ですごい楽でした。あと、でかい割にはリアクション(反応)が良かったり、前でのプレーがうまいので、これからの日本のことを考えるとシングルス、タブルス両方ともいけそうなそうな光が見えたと思います」と評価した。

坂本は錦織について「初めてダブルスさせてもらって、普段からかっこいいんですけど、コート上で導いてくれたり、大事なところでガツっとやってくれたりっていう部分が、漢(おとこ)だなと思いました」とユーモアを交える。

シングルスでは「真っ白になった」という坂本だったが、この日は全米オープンジュニアのダブルスで優勝した実力を大いに発揮した。「練習、試合を通して懐がヤバイ」錦織のおかげで、リラックスしてプレーできた。

「(坂本は)いつ爆発してもおかしくない選手。それが来週になるか、5年後になるかはわからないけど…」と錦織も期待を寄せており、全米後に錦織からオファーした初のペアリングはお互いにとって良い刺激となったようだ。

なお、ショーコートの第2試合に登場予定だった西岡良仁(ミキハウス)/上杉海斗(江崎グリコ)対B ・シェルトン/J・トンプソン(アメリカ/オーストラリア)のダブルスは、降雨により延期となった。

明構成:Tennis.jp 写真:伊藤功巳

○M・ナボーネ(アルゼンチン) 6-4 6-4 ●L・ダルデッリ(イタリア)
○M・ベレッティーニ(イタリア) 6-3 6-4 ●B・ファン デ ザンスフープ(オランダ)[Q]
○H・フルカチュ(ポーランド)[2] 6-4 7-6(5) 6-4 ●M・ギロン(アメリカ)
○U・アンベール(フランス) 6-3 7-5 ●望月慎太郎(木下グループ)

ダブルス1回戦

○J・ドレイパー/T・マチャック(イギリス/チェコ) 4-6 7-6(4) [10-8] ●A・エルラー/M・ミドルクープ(オーストリア/オランダ)[Q]
○N・ラモンズ/J・ウィズロー(アメリカ)[1] 6-7(6) 6-4 [10-6] ●錦織圭/坂本怜(ユニクロ/IMG)[WC]

構成:Tennis.jp 写真:鯉沼宣之