リオデジャネイロで開催されているオリンピック。7日、男子シングルス1回戦が行われファン・マルティン・デルポトロ(アルゼンチン)が第1シードで世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦し7-6(4)、7-6(2)で勝利し2回戦進出を果たした。

2009年の全米オープンで優勝し翌年には世界ランク4位、今年ようやく3回の手首の手術から復帰したデルポトロは、ロンドン・オリンピックでは銅メダルを獲得している。

強烈なフォアハンドでエースを連発し世界ランク1位に勝利したデルポトロ。サービスゲームではデュースコートでセンターへのサービス、アドコートでワイドのサービスで追い込んでからのサービスからのフォアハンドでの攻撃で何度も連続ポイントを奪うなど付け入る隙を許さなかった。

しかし試合で有効な戦略だったのはバックハンドのスライスからの3つの展開力だった。第1セットではデルポトロのスライスでジョコビッチが擦り上げて打ったボールを上からフォアで叩く展開で主導権を握る。

またショートスライスでジョコビッチを前に誘い出してのパッシングエースを決めるなどデルポトロがバックハンドスライスからのプレーが冴えわたった。

ジョコビッチは破壊力あるフォアを封じ込めるようにバックバンドへ展開するも、スライスアプローチを繰り出してネットに詰めるデルポトロを相手にジョコビッチはエラーを繰り返した。

試合序盤からジョコビッチは低い場所で繰り返し打たされる事でフォアハンドではフレームショットするなど正確なショットを欠く結果となってしまった。

デルポトロは怪我で休養する前にはなかった頭脳的なプレーは随所に光った。強烈なフォアハンドに警戒してポジションを下げるジョコビッチに対し、ショートクロスなどスピン量の多いプレーで相手を崩すなど緩急あるショットでコートを広く展開した。

結果として数多くの強烈なスピードのあるフォアハンドでのエースを奪う事に成功したデルポトロは、ロンドン・オリンピックに続いてジョコビッチに勝利した。

デルポトロは、2回戦でジョアン・ソウザ(ポルトガル)と対戦する。

記事:長嶋秀和