10月28日(土) 三菱 全日本テニス選手権

今西美晴(島津製作所)が2013年、2016年に続く3度目の決勝で遂に初優勝を飾った。
決勝の対戦相手は秋田史帆(北島水産)、ファイナル・セットは1-4と言うピンチからの逆転だった。

「重圧はあった。
その中でプレッシャーを楽しんでプレーできるか考えていたが、
やっぱり最後は固くなって理想とはほど遠かったが、最後まで自分を信じてプレーすることができた。」と。

男子準決勝では、高橋悠介(三菱電機)が上杉海斗(慶応義塾大)を下して初の決勝進出。
2014年チャンピオンの江原弘泰(日清紡ホールディングス)はジュニア時代からのライバル関口周一(Team REC)を大接戦の末破り二度目の決勝進出を決めた。

「全日本に勝ちたい」その気持ちが理想のプレーを妨げる

25歳の今西美晴と27歳の秋田史帆の決勝、共に初優勝を懸けて戦った。
秋田は2005年15歳で全日本初出場。過去10回の全日本出場経験がある。

今西にとってはこれが全日本の3度目の決勝進出。
2013年は2歳下の穂積絵莉に4-6,6-4,4-6のフルセットで敗れている。
昨年は大前綾希子に4-6,4-6 第2セットは4-0とリードしながらの逆転負けだった。

「全日本は誰しも取りたいタイトル」その気持ちの強さが思い通りのプレーをさせてくれない。
ファイナル・セットは8ポイント連続で失い、今西は0-2になってしまった。

秋田のプレーも固くなり、ダブルフォルトもあり、サーブを落とす。

しかしここでサーブをまた落とし、1-3、秋田にキープされ1-4となってしまう。

今西、1-4のサーブ40-15のゲームポイントだが、
ここからダブルフォルトなどもあり簡単にキープできない。デュース縺れる。
このプレッシャーの中に今西はキープした。

攻める秋田、どんなボールにも食らいつき返球する今西。
流が少しずつ変わり始める。
今西、ブレーク・バックし3-4とする。

しかしまだまだ困難は続く、今西のサーブで15-40だ。
これを落とせば3-5。

秋田にとってはブレークすれば5-3のサービング・フォ・ザ・マッチになる。
そればよぎったのだろうか?秋田はリターンを二つ続けて失敗、デュースに。

今西は3回のブレーク・ポイントをしのぎ、3回目のデュースの末にキープ、4-4に。

4-4、秋田は40-30のゲームポイントにダブルフォルト
デュースのゲームポイントもダブルフォルト。
秋田にプレッシャーが。

3回目のデュース、バックのドロップ・ショットを秋田はネット。
攻めていたが、秋田はフォアをネットでサーブを落とした。

今西は1-4から4ゲーム連取、5-4とする。

今西のサービング・フォ・ザ・マッチ、30-0、あと2本で勝利。
しかし19回のラリー戦、秋田が打ち勝ち30-30とする。

22回のラリーは今西、とうとうきたマッチポイント

プレッシャーのかかるサーブを入れた今西。秋田のフォアのリターンはネット!

最終セットは1-4になっても「最後は自分を信じてプレーしようとだけ考えていた」。と言う今西だった。

<<女子決勝>>
〇1]今西美晴 64 46 64 ●6]秋田史帆

<<女子準決勝>>
〇1]今西美晴 75 76(6) ●7]田中優季
〇6]秋田史帆 64 60 ●8]加治遥

<<女子準々決勝>>
〇1]今西美晴 76(5) 61 ●12]小堀桃子
〇7]田中優季 61 63 ●吉冨愛子
〇8]加治遥 76(6) 62 ●4]清水綾乃
〇6]秋田史帆 63 64 ●2]波形純理
女子シングルス・ドロー

男子決勝は高橋悠介対江原弘泰

江原弘泰が関口周一を破り、優勝した2014年以来の決勝に進んだ。
ジュニア時代からのライバル勝負を制した江原、第1セットは2-5だった。

高橋悠介がシードを次々と破った上杉海斗を下して初の決勝進出を決めた。
上杉は22歳、第4シードの仁木拓人、第13シードの片山翔、第10シードの吉備雄也とシードを破っていた。
「年齢は(上杉の方が)上だが、プロとして負けるわけにはいかない。」と20歳のプロ高橋。

<<男子決勝>>
2]高橋悠介 vs 5]江原弘泰

<<男子準決勝>>
〇5]江原弘泰 76(4) 62 ●3]関口周一
〇2]高橋悠介 64 63 ●上杉海斗

<<準々決勝>>
〇5]江原弘泰 64 64 ●1]伊藤竜馬
〇3]関口周一 62 64 ●羽澤慎治
〇上杉海斗 46 61 63 ●10]吉備雄也
〇2]高橋悠介 61 62 ●12]望月勇希
男子シングルス・ドロー

記事:塚越亘/塚越景子 写真:鯉沼宣之/伊藤功巳/TennisJapan

今西美晴 3度目の正直 全日本優勝