イタリアのローマで行われている、BNLイタリア国際(通称イタリアン・オープン)。男子はATPマスターズ1000、女子はPremier 5の男女共催大会。

準々決勝で錦織圭(日清食品)は元世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)と6-2、1-6、3-6のフルセットを戦った。
試合時間2時間21分。「ファンタスティックな試合」とジョコビッチ自身が語る観客を沸かせた激戦の詳細をここに残しておきたい。

錦織圭vsジョコビッチ 試合詳細

「ディミトロフにも勝ち、調子が良さそう、レベルを上げてきている」とジョコビッチは錦織のプレーを警戒している。

ジョコビッチのサーブで始まる。
9分かかり、錦織がサーブをブレークしてスタートした。

錦織、40-15からデュースになるが2-0とキープ。
この2ゲームだけで、14分。ラリー戦が続く熱戦の模様が想像できるだろう。

ラリー戦で振り回されてが、バックのダウン・ザ・ラインをカウンターパンチのように決め40-30。
もう一度、バックのダウン・ザ・ラインをショートで決め、3-1とリードする。

ドロップ・ショット合戦も錦織。
ラリー合戦、最後は錦織の勇気ある攻撃的なショットで取る。

2ブレーク、4-1だ。

振られて左手だけで返す執念を見せる錦織だが、攻め始めたジョコビッチが2ゲーム目をキープ。

5-2、錦織のサービング・フォ・ザ・セット、
16回目のショット、ジョコビッチのショットがオンライン、ブレーク・ポイントを掴むとジョコビッチは吠えた!

デュース後、ジョコビッチのリターンは当たりそこないでロング。錦織が6-2で第1セットを取る。

ウイナーの数は錦織12、ジョコビッチ7、錦織の集中力ある完璧なテニスだ。

第2セット

最初のゲーム、30-40と錦織がブレーク・チャンスを掴むがデュース。

デュース後、ジョコビッチのゲームポイント、錦織のショットはアウトのコール。
しかしジョコビッチは入っていると認め、やり直し。
ジョコビッチのこの余裕はなんだ。凄い。
TVのスロー(チャレンジ映像)だとボール一つアウトの場面だったが。
チャレンジの判断も間違いあり、人間が画像を選ぶので、怪しいと言うことだろうか?

ジョコビッチが1-0とキープ。

15-40とブレーク・ポイントを握られる。
30-40、13回のラリー錦織のバックはネット、0-2とブレークされた。

第3ゲーム、30-40とブレーク・バックのチャンス。
フォアをネットでデュース。

先に仕掛けるが、11回目のショット、逆をつかれ、ジョコビッチのアド。
Tへサービス・エース、ジョコビッチが3-0とキープ。

「ケイはコートのどこからでも素早く打ち返してくる。
集中して、自分のスタイル、戦術を徹底したい」とジョコビッチは試合前に言っていたが、段々とジョコビッチの攻めの方が優位になってきている。
試合時間は1時間経過しようとしている。

第4ゲーム、ダブルフォルトとミスショットで15-40。
ラリー戦も僅かにロング、またブレークされた。0-4。

第5ゲーム、ジョコビッチのダブルフォルトなどに乗じて錦織が1-4とブレーク・バックする。

第6ゲーム、好ラリーが続く。30-30。
バックのダウン・ザ・ラインを先にきめられ30-40。
先に攻められ、再びジョコビッチにブレークされる。
1-5になってしまったが、そのスコアほどの差は感じられない接戦だ。

40-0のセットポイント、なんとジョコビッチはネットさえ越えれば決まるイージーボールをネット。
その1ポイント以外はジョコビッチが完璧に、1-6で第2セットを取る。

ファイナル・セット

第1ゲーム、相変わらず凄いラリー戦。錦織デュースの末に1-0とキープ。

第2ゲーム、最初のポイント、ジョコビッチのボールはアウト臭かった。それも二度も。
結局やり直し。
40-0のサーブもスローではフォルトだが、ジョコビッチは抗議、錦織はそのポイントを献上してしまう。
ラブでキープになってしまった。1-1。

第3ゲーム、錦織は0-30とピンチ!
錦織、チャンスボールをスマッシュ、スマッシュ、そして3度目はグランド・スマッシュ!
「信じられない」錦織はその簡単なボールをネット! 0-40。グランド・スマッシュをネットYou Tube

1ポイントは返すが、ジョコビッチに先にブレークされる。

錦織はすぐに、ブレーク・バック、2-2。
第5ゲームは耐えて、7分近くかけ、3回のデュースの末に3-2とナイス・キープする。
どちらに転んでもおかしくないゲーム展開。盛り上がる観客だ。

第6ゲーム、デュースでブレーク・ポイントを握り、ラリー戦に持ち込み、何度も主導権を握るがバックのダウン・ザ・ラインを惜しくもネット。
「チャンスはあった。なかなか大事なポイントを取りきることができなかった。
まだ少しメンタルの弱さとか(攻め切れない自分がいる)」。
チャンスがあったが生かせず、3-3。試合時間は2時間を越えようとしている。

逆に第7ゲーム、3度目のデュース、2度目のブレーク・ポイントをアウトし、3-4とブレークされた。

第8ゲーム、ジョコビッチのサーブ、0-30だったが40-30、
ドロップ・ショットを決めデュースに持ち込む。
攻め勝ち、4-4にするブレーク・チャンス。
しかし22回のラリーはジョコビッチ。
3度のデュースの末に、ジョコビッチにキープされ、3-5、追いつけなかった。

目が離せない凄い試合だ。

第9ゲーム、錦織のサーブ、攻めて、惜しいポイントが続くが、15-40とジョコビッチにマッチポイントを握られる。
最後は錦織のショットが大きくロングとなり、3-6で負けてしまった。

凄い試合、惜しかった。

逆転勝ちしたジョコビッチは跳び上がって喜ぶ。

「とても質の高いバトル。ファイナル・セットはどちらが勝ってもおかしくなかった」と、ツアー復帰後初の4強入りをジョコビッチは決めた。

錦織vsジョコビッチ準々決勝 You Tube(8分)
試合データー

<<準決勝>>
〇1]ナダル 76(4) 63 ●11]ジョコビッチ
2]A・ズベレフ 7-6(15-13) 試合中 4]チリッチ

<<準々決勝>>
〇1]ナダル 46 61 62 ●フォジーニ
〇11]ジョコビッチ 26 61 63 ●錦織圭
〇4]チリッチ 63 63 ●10]カレーノブスタ
〇2]A・ズベレフ 64 36 63 ●9]ゴフィン
イタリアンオープン ドロー
イタリア国際(イタリアン・オープン)データー

ジョコビッチ、錦織圭 お互いに健闘を称える

記事:塚越亘/塚越景子/取材協力内田暁 写真:H. Sato/Tennis Japan