イタリアのローマで行われている、BNLイタリア国際(通称イタリアン・オープン)。男子はATPマスターズ1000、女子はPremier 5の男女共催大会。
準々決勝で錦織圭(日清食品)は元世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)に6-2、1-6、3-6のフルセットで敗れた。
「勝てた試合だった」と悔しさを表す錦織だが、同時に手応えも感じたことだろう。
第1セットは錦織の完璧テニス。振り回されてもカウンターで突き放す。
第2セットは最初のブレーク・チャンスを錦織が逃すと流れは一変。「(ジョコビッチは)プレーを変えてきた。振り回された。」ジョコビッチが取り返す。
ファイナル・セット、勢いをつけたジョコビッチが第3ゲームを先にブレーク。しかし錦織はすぐに、ブレーク・バックする。
勝負の分かれ目は、4-2とリードできた第6ゲーム。そしてブレーク・バックのチャンスがあった第8ゲームだろうか?
第6ゲームはブレークできずに3-3となり、続く第7ゲームを錦織は落とす。
第8ゲームはブレーク・バックのチャンスを掴んだ。
しかし21回続いた長いラリー戦をジョコビッチが辛うじて制した。
錦織24位、ジョコビッチは18位。そのランキングの戦いではなく、観客も引き込むハイレベルな戦い。
錦織と共にジョコビッチも完全復帰に近づいていると思われる2時間半のバトルだった。
錦織圭 全仏に期待
「(ファイナル・セット3-2など)チャンスはあったが、なかなか大事なポイントで攻めきることができなかった。
まだ少しメンタルの弱さというか、最後まで踏ん張りきれなかったところとかがあり、そこは苦しかった。」
「2セット目からまた(自分の)ボールが浅くなりだし、(ジョコビッチの)プレーも良くなった。
もうちょっとあそこで打開策が見つかっていれば、もう少しチャンスはあったのかなと思う。
(ジョコビッチは)自分のことを、分かっている選手で、弱いところをつかれているような気もする。
いつか打開したい」と試合後の錦織。
悔しいが、錦織圭はテニスがより楽しくなったのではないだろうか?
27日からはフレンチ・オープンが始まる。
「復帰して初めての5セットマッチ。
難しい部分はあるかもしれないが、久しぶりのグランドスラム大会なので、気持ちも自然と高まってくる。
いい結果を出したい」と前向きだ。
<<準々決勝>>
〇1]ナダル 46 61 62 ●フォジーニ
〇11]ジョコビッチ 26 61 63 ●錦織圭
〇4]チリッチ 63 63 ●10]カレーノブスタ
〇2]A・ズベレフ 64 36 63 ●9]ゴフィン
イタリアン・オープンドロー
イタリア国際(イタリアン・オープン)データー
記事:塚越亘/塚越景子/取材協力内田暁 写真:H. Sato/Tennis Japan