実業団の団体戦「第40回テニス日本リーグ」の決勝トーナメントが、横浜国際プールで2月13日から15日にわたり開催された。2月15日には決勝戦と3位決定戦が行われ、女子決勝は橋本総業ホールディングスがライバルの島津製作所を突き放し、3連覇を達成した。

日本リーグの女子決勝は4年連続で同じカードで、橋本総業ホールディングスと島津製作所はライバル関係にある。しかし、今回は橋本総業HDが優勢だと見られていた。なぜなら、選手それぞれが良い結果を出しているからだ。

シングルス1(S1)の坂詰姫野は、今年初めて全豪オープン本戦に出場し、小堀桃子もダブルスで初の全豪オープンの舞台に立った。シングルス2(S2)の岡村恭香は昨年の全日本選手権で初優勝している。3試合とも実力通りに力を発揮できれば優勝は可能なメンバー構成だった。

橋本総業HDのシングルス2岡村恭香。写真/伊藤功巳

それでも、何が起きるかわからないのが団体戦だ。特にS2の岡村は、プレッシャーを自分にかけすぎてしまう傾向があった。しかし今回は、勇気を持って攻撃し、ピンチを切り抜けた後に流れをつかんで勝利まで駆け抜けた。

成長した姿を見せた岡村は、「去年までは自分は勝利を上げることができずに、他のチームのみんなに助けてもらっての優勝でしたので、優勝のうれしさ半分、悔しさ半分という気持ちでした。今回はちゃんと自分も勝利に貢献することができ、自分が勝っての優勝は何倍もうれしいんだと実感しました」と、素直に喜んだ。

橋本総業HDのシングルス1の坂詰姫野。写真/伊藤功巳

王手をかけてバトンを渡されたS1の坂詰は、安心して任せられるダブルスが後に控えているため、「緊張はしなかった」と言う。しかし、フィーリングが合わず、2-5とリードされてしまう。ここで、「これだけいろんな経験を積んできたんだから、やれるでしょう」と思えたことで逆襲を開始。自分から先に相手を振れるようになると一気に流れをつかみ、逆転で3連覇を決めた。

優勝が決まったため、ダブルスは消化試合となるが、小堀は「勝利が決まった状態での試合は私自身初めてだったんですけど、2-0で回ってきたからこそ、3-0にしたいっていう気持ちがありました」と貪欲に3戦3勝の完全勝利を目指すことに。元々実力のある2人だけに、ストレートで勝負を決めて優勝に華を添えた。

最高殊勲選手賞も受賞した森崎は、「1人1人がレベルアップして臨んだ決勝だったので、全員に安心感があり、チーム力も一緒に増してきたと思います。次は4連覇となると思いますが、そのプレッシャーに負けずに、また一人一人がベストを尽くせるように頑張っていきたいと思います」と宣言。プレッシャーがかかる中で、どこまで連勝を伸ばせるのか、今後も注目していきたい。

<女子決勝戦スコア>
橋本総業ホールディングス 3-0 島津製作所
S1 坂詰姫野 7-6(5) 6-0 加治遥
S2 岡村恭香 6-4 6-1 山﨑郁美
D  小堀桃子/森崎可南子 7-5 6-3 桑田寛子/鈴木渚左

橋本総業の大前綾希子。写真/伊藤功巳

■引退選手
今回の日本リーグを最後に引退した女子選手は、橋本総業の大前綾希子。3位決定戦で勝負がかかったダブルスに高校生の上村睦実と組んで出場し、見事勝利でラストマッチを終えた。最後の試合は「ちょっと緊張しました」と言う大前だが、見事に若手のパートナーを引っ張り、元気溢れるプレーを披露した。

長いテニスキャリアで印象に残っていることを聞くと、「やっぱりウインブルドンでシングルスは予選に1回勝って、ダブルスは本戦に出られたこと。グランドスラムは常に自分の中で出たい大会だったので、その場所に行けたのは印象に残っています。後は全日本のシングルスとダブルス3回の優勝も。色々な中での優勝だったので大事な思い出です」と振り返った。

「本当にいろんな人に支えられて、人として成長をさせてもらえた競技人生でした。応援されるのもプレーできるのも当たり前ではないし、どんな場所でも、どんな方にも感謝するということを思えたテニス人生だったので、すごく良かったです。やり切りました」と、すがすがしいを表情を見せた。

<女子決勝トーナメント結果>
優勝 橋本総業ホールディングス
準優勝 島津製作所
3位 橋本総業
4位 リコー
5位 フクシマガリレイ
6位 明治安田

取材・文/赤松恵珠子 写真/伊藤功巳