kimiko_date_krumm_20110702.jpgクルム伊達公子(40歳)が、ウィンブルドン選手権からの帰国直後の2日(土)、福島県柳津町で行われていた「国体少年の部選考会」会場を訪問し、震災の影響で3月の全国高校選抜大会の出場を断念した日大東北高校の部員らを激励した。


この日の選考会には、日大東北高校の女子3選手を含む、男女10名が参加。クルム伊達は前日帰国したばかりのハードスケジュールにも関わらず、炎天下の中、全員と30分間ボールを打ち合った後、一人一人と握手を交わし、記念撮影に収まるなど1時間以上にわたって、福島県のジュニア選手との交流を深めた。
会場には、選考会参加選手以外にも、日大東北高校女子部員全員が駆け付けており、クルム伊達のスピーチで、「全国選抜大会に出場できなかったことは、震災の被害を考えれば仕方ないことですが、私自身も全国選抜には深い思い入れがあったので、皆さんの残念な気持ちはよく分かります。でも、皆さんにとってのテニスはまだまだこれから。テニスを通じて多くのことを学んでほしい。人生で学ぶことがコートには詰まっています。自分のテニスを追及してください」と激励され、 日大東北高校部員全員、そして参加選手全員が真剣な面持ちで聞き入った。
さらにクルム伊達は「私自身のことで言えば、今回の震災とは比較にならないとは思いますが、辛い時期の先には、光があると信じてここまでやってきました。今日、皆さんのパワーをものすごく感じたので、エネルギー溢れる東北に必ず戻れると信じています。時間はかかるとは思いますが、どうか前に進んでいって欲しい」と、全ての参加者と被災地へ、力強いメッセージを送り続けた。
kimiko_date_krumm_20110702_2.jpg参加選手一人ずつがお礼の挨拶を述べる中、日大東北高校2年の浜村圭希さんは「放射線の影響で屋外での練習は限られているけど、クルム伊達さんの『自分のテニスを追及して』という言葉を大切に練習に励みたい」とコメント。
最後に、クルム伊達も出場、9月25日から東京都江東区の有明テニスの森で開催される「東レ・パン・パシフィック・オープン」へ、今日の参加選手全員と日大東北高校部員全員が招待されることが伝えられると、「やったー!」と大きな歓声があがった。
クルム伊達を囲む交流の輪は、クルム伊達選手が会場を後にするまで、なごやかに続いた。
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