22日の日曜日、大会も7日目となり、いよいよ4回戦がスタートする。グランドスラムの4回戦はどんな強豪にとっても最初の大きな壁。上位シード勢でも、同じくシード選手との対戦となるからだが、女子の4回戦に昨年の決勝のカードが入った


キム・クライシュテルス(28歳、ベルギー)対李娜(リー・ナ)(29歳、中国)だ。クライシュテルスがランキングを落としていることもあって、シード順の関係で言えば李に挑む形になるが、クライシュテルス自身も内心、挑む形で試合に臨むだろう。両者ともに現時点の女子テニス界では屈指のストローク強者。フォアの打ち合いはもちろんだが、お互いに得意とするショットよりも、バックハンドでいかにポイントの起点を作り出せるか、ショットの精度が勝敗の鍵になるかもしれない。注目だ。
男子での注目カードは、ラファエル・ナダル(25歳、スペイン)対フェリシアーノ・ロペス(30歳、スペイン)のサウスポー対決も面白そうだが、ここはやはりロジャー・フェデラー(30歳、スイス)対バーナード・トミック(19歳、オーストラリア)となるだろう。
両者は昨年のデビスカップ(国別対抗戦)で一度対戦していて、その時はフェデラーが勝っているものの、トミックに1セットを奪われている。トミックの成長ぶりは著しい。前回対戦は昨年秋のこととはいえ、フェデラーもすでに過去のこととして考えて試合に臨む必要がある。トミックのペースにはまらず、フェデラーが展開を支配するような展開になれば、さすがのトミックでもお手上げだろうが、攻め急いで先にミスを出し、イライラする悪い時のフェデラーが顔を出すとトミックのペースとなる。地元の声援の後押しを受けるトミックはまた一味違うだろうし、逆にこういう「完全アウェー」時のフェデラーもまた、別の強さを出すことがある。メンタルゲームとして、興味深い対戦だ。
話題の錦織圭(22歳)とクルム伊達公子(41歳)の混合ダブルスもスタートする。試合はマーガレット・コートアリーナの第3試合に組まれ、相手はシュワンク(25歳)/ドゥルコ(26歳)のアルゼンチンペア。ロンドン五輪を睨んでか、各国ともにナショナル・ペアでの出場が目立つ今回の全豪のミックス。五輪の前哨戦と捉えれば、ミックスといえども、いつものようなリラックスムードに溢れた試合とばかりは行かないだろう。クルム伊達は、今回の全豪で1勝もできていないこともあり、間違いなく勝ちにこだわるはずだが、錦織もコートに出てしまえば強烈な負けず嫌い。とにかくまずは日本コンビのいいプレーを期待したい。
大会も後半を迎え、ジュニア部門も始まる。日本ジュニアからも早速、内田海智、斉藤貴史、加藤未唯、二宮真琴、穂積絵莉、小和瀬望帆、尾崎里紗が1回戦を戦う予定だ。1戦でも多くの経験を積み、将来の大活躍につなげてほしい。