kimiko_date_krumm120421_01.jpgフェドカップのワールドグループ1部プレーオフ日本対ベルギーは、21日に有明コロシアムでシングルス2試合が行われ、日本のクルム伊達公子が、ベルギーのナンバー1選手タマリン・ヘンドラーと対戦。6-1、6-4で勝利し、ワールドグループ1部復帰に王手をかける2勝目を日本にもたらした。


写真はクルム伊達公子、クリックで拡大
「エースのあゆみちゃん(森田)が勝ってくれたので、続きたいという思いがありました」。
試合後、客席にマイクでそう話したクルム伊達のこの試合にかける意気込みは、試合開始直後から見る者に伝わってきた。最初のサービスゲームをジュースの末にキープすると、そこからギアを全開にする。若いヘンドラーの強打をライジングで捉え、広角に打ち分けながら相手に先んじて攻撃をしかけた。
得意とする有明の速いコート、そしてホームの観客の声援も、クルム伊達のテニスに更なる力を与える。ヘンドラーが「まるで闘牛のように、自分が攻めてもかわされ、カウンターをしかけられた」と半ば呆れ気味に振り返る早い展開で、第1セットはクルム伊達が奪い去った。
第2セットに入ると、ベースラインの打ち合いでは分が悪いと踏んだ相手が、攻め方を変えてくる。短いボールを織り交ぜつつ、左右に振ってクルム伊達のライジングを封じようとしたのだ。この作戦が功を奏したか、第2セットはヘンドラーが第2ゲームをブレーク。この試合、初めてベルギーがリードした。
 
だがこの局面でも、クルム伊達に焦りは無かったという。「相手からのプレッシャーを大きく感じた訳ではなかったので、このままついていけば大丈夫だと思っていた」(クルム伊達)。
そのような冷静さと試合の流れを読む眼力が発揮されたのは、1-3で迎えた第5ゲーム。相手がやや消極的になるのを見切って、バックのボレー、そしてフォアのクロスで立て続けにウイナーを奪いブレークバックに成功。さらに4-4からの相手のサービスゲームでは、左右に走ってしぶとく食らいつき、3度のジュースの末にブレークをつかみとる。
続くゲームもジュースにまでもつれるが、最後は鮮やかなフォアのクロスが決まってゲームセット。ヘンドラーはこのポイントに対しチャレンジするが、スクリーンに映し出された映像は、ボールがラインを確実に捉えたことを示していた。
この勝利で2勝0敗とリードし、ワールドリーグ1部復帰まであと1勝と迫った日本。それでも村上監督をはじめ選手たちは、「まだ終わっていない。明日がある」と表情を引き締めた。