ダラスで行われているATPチャレンジャー大会、RBC Tennis Championships of Dallas

錦織圭(日清食品)が、復帰第二戦目で決勝に進出した。
準決勝では台湾のジャン・ジェイソン(荘吉生)に6-4、6-4のストレート勝ち。
「この2週間は練習だと思っていたので決勝まで行く事は考えていなかった。」自分に期待していなかったと錦織は言う。

決勝では、アメリカ若手の注目株で、全豪オープンでは予選を突破、2回戦でディミトロフにファイナル・セット6-8で惜敗したM.マクドナルド(158位)と対戦する。
マクドナルドは1回戦で伊藤竜馬を7-5,6-3破り、2回戦では第2シード、アメリカ期待のF.TIAFOEを7-5,2-6,6-3で破っている22歳だ。

決勝は現地2月3日19時開始のダブルス決勝後に予定されている。日本時間だと2月4日朝11時以降になるだろう。
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まだまだ納得いくプレーは出来ていない

――きっちり勝ち切りました。今日の試合を振り返ってみて

「日に日にプレーは良くなってきていると思います。
体の疲れは多少ありますけど、そこまで問題は無いので。
勝ち進むにつれて相手がどんどん強くなってきて、明日のマクドナルドも良い選手なのでタフな試合になると思います。
自分もサーブとフォアも良いショットが出始めて、少しずつ良くなってきているのを感じるので嬉しいです」

――チャレンジャーとはいえ、かなりレベルの高い選手もいますが

「チャレンジャーなので、ツアーに比べると、フリーポイントをくれたり、簡単なゲームがあったり、やっぱりツアーに比べると選手のレベルは確実に違ういますが、
試合に慣れるという意味でこうやって試合数をこなせるのはとても良い経験になりますし、明日は更にレベルが高くなるので自分もギアを上げないと、今日以上のプレーが出来ないと勝てない相手なので頑張りたいです」

――復帰2戦目で決勝、自分では期待していましたか

「いや、ほぼ期待してなかったですね。
この2週間は練習だと思っていたので決勝まで行く事も考えていなかった。本当に数試合出来ればいいなというぐらいだったので。
手首の調子が先週よりはるかに良くなってる。それは一番なので。
プレーがどうであれ、手首の状態が一番大事なので、特に今日まで3戦連続で戦って問題無くやれてるのが一番の収穫ですね」

――第1セットは4−4、第2セットは3−3から相手のサーブをブレイク。テニスの質が上がってきていると思うが

「正直まだ波はありますし、良い時と悪い時の差があるので、直さないといけないところはまだたくさんありますけど、試合の中で大事なところをしっかり取って2セットで終われたのは体にとっても良いこと。
でも1試合を通して安定しているかと言ったら、まったく安定していないので。そういうところをもっと磨いていかないといけない。
良いところと悪いところの差はありますね」

――前回よりもファーストサーブの入りが良かった、修正したところは?

「いや特には無いですけど。たぶん試合に慣れてきたのもあると思いますし、前の試合に比べると良くなってきてると思います。
まだちょっと安定しなかったり、修正点はまだまだありますけど、サーブに関しては確実に今までの中では一番良かったかな」

――ガットのテンションをかなり緩くしていると言われていますが、実際の今のテンションは?

「いや、去年と一緒ですね。まあ普通の選手よりは低いと思いますけど」

――手首の影響で緩くしているわけではなくて

「はい。前からです。もう2、3年前からだいぶテンションを緩く張ってるので。
もちろん手首に負担がかからないようにいろいろ(ストリングは)選んでますけど。緩いのは前からです」

――サーブやフォアハンド、自分が打ちたいと思うコースに打てるように近づいてきていますか?

「まだミスが出るのはしょうがないですね。
フォアに関しては最近やっと振れるようになってきたので、まだ時間がかかると思いますし、練習と試合はまた緊張感も違うので。
良くなってくるのはもうちょっと時間がかかると思います」

――マクドナルド選手とは友達ですよね?双子みたいにそっくりだと言われていますが

「笑。それは初めて言われましたけど笑。彼は良い奴です。
全豪オープンで良いテニスをしていたのでタフな試合になると思います」

無難にストレート勝利

テニスが落ち着いてきた錦織圭

準決勝では234位の荘吉生(台湾)28歳、最高ランキング143位と対戦。

なんと先にサーブを落としてしまった錦織。0-2。

リードしたジャンだが、ダブルフォルト二つ、キープできない。

第7ゲーム、ラリー戦が続く。錦織のストロークも五戦目になり落ち着いてきた。
気持ち良くオープンに決めブレーク。4-3とリード。

これで錦織ペースと誰もが思った。
しかしキープできずに落とす。

ラリー戦、見事にバックのダウン・ザ・ラインのパスを決める。
30-40とブレーク・チャンスを掴みそのままブレーク、5-4。

世界一流のバックのダウン・ザ・ラインでセットポイントを握り、短くなったボールをフォアで逆クロスに決め第1セットを6-4で取る。

第2セット

錦織らしいフォアのドロップ・ショットも二回連続で使う。
余裕がでてきたのだろう。1-1。

相手のサーブ、30-0から30-40とブレーク・チャンス。13回のラリー戦を制し錦織がブレークする。4-3。

5-4、サービング・フォ・ザ・マッチ、40-15のマッチポイント。
サーブ&ボレーからボレー、相手のロブをバックの手首を返してのハイボレーを試みるがネット。

40-30、二つ目のマッチポイント。最後はナイスサービスで決勝進出を決めた。

プレーぶりが落ち着いてきた錦織圭、明日の決勝を期待したい。

RBC Tennis Championships of Dallas
会場:T Bar M Racquet Club
オーダー・オブ・プレー
ダラス現地時刻(時差 -15時間)

<<決勝>>
1]錦織圭 vs M.MCDONALD(USA)

<<準決勝>>
〇1]錦織圭 64 64 ●J.JUNG(台湾)
〇M.MCDONALD(USA) 64 64 ●D.KUDLA(USA)

<<準々決勝>>
〇1]錦織圭 76(3) 63 ●L]D.KOEPFER(GER)
〇J.JUNG(台湾) 61 61 ●4]M.KECMANOVIC(USA)
〇D.KUDLA(USA) 63 63 ●3]T.FRITZ(USA)
〇M.MCDONALD(USA) 64 62 ●7]T.SMYCZEK(USA)
ドロー

西岡良仁 決勝進出ならず 豪州チャレンジャー

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記事:大賀恭子/塚越亘/塚越景子 写真K.Oga/TennisJapan