23日、今年の全豪の波乱は女子で起きた。3回戦でベラ・ズボナレワ(27歳、ロシア)を倒したエカテリーナ・マカロワ(23歳、ロシア)が、また大きな仕事をやってのけ、セリーナ・ウィリアムズ(30歳、米国)を6-2 6-3のストレートで破り、ベスト8へ名乗りを挙げたのだ。


「怪我のせいにはしたくない。今日は相手が良かったということで、彼女は勝利にふさわしいプレーをしたわ。でも、次の試合ではもっといいプレーができる自信がある。もしそう思えなければ、そっちの方が問題ね」と試合後のセリーナは言葉にしているが、はっきりとは口にしなかったものの、左足にトラブルを抱えていたのは事実のようで、それはラリーでは動きに影響があり、サービスにも大きな影を落とした。サービスエースも9本記録したが、1stサービスの確率は59%で、ダブルフォールトは7本。アンフォーストエラーは37本に及んだ。
セリーナは「今日のサービスなら左腕で打ったほうがマシだったかもしれないわ。今度から左で打とうかしら」と自虐的に話すほど、フィーリングが悪かったようで、最速でも187キロというのは、彼女にしては確かに悪い。今のセリーナにとっては、サービスとリターンが鍵。今日はそのどちらもが当てにできなかった。負けるべくして負けたとも言えなくもない。
しかし、マカロワがきちんと試合を締めたというのも大きい。「前に戦った時には怖くて仕方がなかったけど、今回はなぜか勝てると思えたのよ」とマカロワは喜びを隠さず話した。「だって、あの偉大なセリーナに勝ったのよ。すごいことだわ」。
マカロワは1988年生まれの23歳。過去の最高位は昨年6月に記録した29位のサウスポー。2004年の全仏チャンピオン、アナスタシア・ミスキナのプレーが大好きだと話すが、ミスキナのように頭脳的だが、より攻撃的なテニスをこの日は見せた。
マリア・シャラポワ(24歳、ロシア)はサビーネ・リシキ(22歳、ドイツ)相手に序盤はやや苦戦しつつも、第2セット以降を取り返して3-6 6-2 6-3で勝利し、ペトラ・クビトバ(21歳、チェコ)はアナ・イバノビッチ(24歳、セルビア)を振り回して作ったオープンスペースに叩き込むテニスを繰り返すことで、最後はイバノビッチの足を奪い6-2 7-6(2)のストレートで勝った。
元々は第6シードのサマンサ・ストーサー(27歳、オーストラリア)のいたゾーンから勝ち上がってきた同士の4回戦だったのはサラ・エラニ(24歳、イタリア)と鄭潔(チェン・ジー)(28歳、中国)。鄭は全豪との相性も良く、台風の目になりつつあったが、やはり連戦となるとまだ体力が持たないようで、エラニのスタミナの前に屈した。6-2 6-1とスコアは簡単だが、試合時間は1時間26分かかる激闘で、1ポイントが決するまでに長いラリーを要する消耗戦だった。
日本女子のダブルス、藤原里華(30歳)/森田あゆみ(21歳)組は、3回戦で第7シードのアンドレア・フラバコバ(25歳、チェコ)/ルーシー・フラデカ(26歳、チェコ)組と対戦したが、3-6 6-3 2-6のフルセットで敗れ、ベスト8進出はならなかった。
2週目に入り、残った顔ぶれに意外性はないが、それでも新しい顔がいる。