女子テニスの国別対抗戦『ビリー・ジーン・キングカップ BY ゲインブリッジ・ファイナル予選(BJK杯)日本vsカザフスタン』1日目が、4月12日(金)有明コロシアムにおいて開催された。
杉山愛BJK杯日本代表監督が今回代表として選出した選手は、日比野菜緒(ブラス)、大坂なおみ(フリー)、本玉真唯(島津製作所)、柴原瑛菜(橋本総業ホールディングス)、青山修子(近藤乳業)の5人。
この日はシングルス2試合が行われ、日比野と大坂がともにストレートセットで勝利し、日本チームは勝利へあと1勝と王手をかけた。
昨年11月のコロンビア戦では「うまく感情を表現できず、一人で戦ってしまった」という日比野は、この日は違った。「全豪のセンターコートや、インディアンウェルズのビーナス・ウィリアムズとの対戦を経験し、緊張の中でも縮こまらずに戦うことができた」と振り返るように、良いポイントには大きな声を出し、ガッツポーズし、快心のプレーを見せる。
ライン際を突くサービスは、第1セット92%と確率高く、角度、高低差をつけたストロークでアンナ・ダニリナ(936位)の足を度々止めた。
「攻守のバランスが良かったと思います。長いラリーになっても守るべきところは守り、チャンスはネットプレーににつなげられた」と、6-1,6-0の快勝に安堵の表情を見せた。
2試合目に登場した大坂は、カザフスタンのエース、ユリア・プチンツェワと対戦し、6-2,7-6(5)で日本チーム2勝目を挙げた。
試合を通してサービスエース15本と、その数字が物語るとおり、終始大坂が主導権を握った。第1セットは2つのブレークを果たして6-2で先取、第2セットは相手のサービスが良くなりリターンに苦しんだが、杉山愛監督との「クールなコミュニケーション」で、何が成功し、これから何をすべきかということを明確化し、ポジションの変化でプレッシャーをかけ続ける。第7ゲームではプチンツェワにブレークポイントを握られるが、それを切り抜け、試合はタイブレークへ。
お互いワンミニブレークで迎えた大坂5-4のフォアのエースは見事だった。浅く低いクロスからのボールをストレートへ流すのは、距離も短くネットも高いため技術が必要だ。大坂のこの試合での冷静さを象徴するかのような1本だった。
2022年の東レPPO以来の日本での試合、そして国別対抗戦は2020年以来となる出場、そして勝利に 「とてもハッピー。試合はとてもタフで、私は緊張し、久しぶりの日本での試合でいいプレーをしようと気持ちが先走ったところもあったけど、いつものルーティンを心がけるようにし、いい結果に繋がった。そして何よりサービスが良かった」と、喜びを見せた。
杉山愛監督は「日比野選手は120点満点のいいプレーでスタート切ってくれた。これまでは緊張したり空回りしたり、力が出せなかったこともあるけれど、今回はうまく自分の気持ちを整理して、完璧な勝利を掴んでくれた。大坂選手は、緊張を自分で受け止めながら、やるべきことがしっかりできた。初日に2勝掴むことは我々にとって大きなこと。いい流れで2日目を迎えたい」と初日を振り返った。
2日目は日比野対プチンツェワのエース対決からスタートする。日本チームはあと1勝を目指し、チーム一丸となって戦う。
【2024ビリー・ジーン・キング・カップ by Gainbridgeファイナル予選/日本vs カザフスタン】
大会1日目 4月12日(金)の結果
日本 2−0 カザフスタン
◯日比野菜緒 6-0 6-0 ●アンナ・ダニリナ
◯大坂なおみ 6-2 7-6(5) ●ユリア・プチンツェワ
大会2日目 4月13日(土)の予定
13:00試合開始
日比野菜緒 VS ユリア・プチンツェワ
大坂なおみ VS アンナ・ダニリナ
青山修子/柴原瑛菜 VS アンナ・ダニリナ/ジベク・クランバエワ
※ルールにより2日目は、試合数ならびに試合形式が変更となる場合があります。
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取材/保坂明美 写真/伊藤功巳