sabine_lisicki120703_01.jpgロンドン郊外で開催中のウィンブルドン選手権の男女4回戦が7月2日に行われ、女子第1シードのマリア・シャラポワが、第15シードのサビーネ・リシキに、4-6、3-6で敗れる番狂わせがあった。また、今シーズン限りの引退を表明しているキム・クライシュテルスは、第8シードのアンジェリーク・クルベールに1-6、1-6で完敗。キャリア最後のウィンブルドンを、4回戦敗退という結果で終えた。


※写真はシャラポワに初勝利したリシキ、クリックで拡大
最後のポイントも、最大の武器であるサーブだった。リシキにとり、シャラポワは過去3回対戦し、いずれも敗れている相手。それも昨年はウィンブルドンの準決勝、そして今年は全豪オープン4回戦と、常に大舞台で行く手を阻んできた“壁”である。だからこそ勝った瞬間、リシキはまるで優勝したかのように全身で喜びを表現し、目には涙すら浮かんでいた。
「サーブが良く、攻撃的だった。これが私のテニス」
そう自画自賛する会心のプレーを象徴するように、最後はセカンドーサーブにも関わらず、センターに時速108マイル(約173キロ)のエースを叩き込む。正に自分のテニスを貫いたうえでの、完勝だった。敗れたシャラポワも「今日はあらゆる面で、相手の方が私のプレーを上回っていた」と言い訳はしない。一昨年はベスト8、昨年はベスト4まで勝ち進んでいるビッグサーバーのリシキが、さらなる上位進出に向け加速した。
そのリシキが準々決勝で対戦するのが、同じドイツのクルベール。今季絶好調のサウスポーは、クライシュテルのウィンブルドン初優勝の夢を、わずか50分で粉砕した。「1ポイントずつ集中していたので、スコアのことは考えていなかった」というクルベールのプレーを、敗れたクライシュテルスも「今日の彼女相手には、できることなんて何も無かった。完璧といって良いプレーをしていた」と賞賛。グランドスラム4つのタイトルを誇るクライシュテルスだが、「凄く特別な大会」だというウィンブルドンの優勝プレートを最後まで手にすること無く、キャリアを終えることとなった。
第1シードが敗れたことで、ウィンブルドン初優勝、さらには1位奪回の可能性も大きく開けたのが、第2シードのアザレンカだ。試合を重ねるごとに徐々に調子を上げ、この日は元世界1位のアナ・イバノビッチを6-1、6-0と寄せ付けなかった。第1セット終盤、雨天により試合は一時中断されるが、それでもアザレンカの集中力が途切れることは無かった。1位の可能性に関しても「既に1位は経験したから、別に奪回を意識はしていない。この話題に関しては、大会が終わったときに話しましょう」と、目の前の試合のみに集中している様子だ。
その他の試合では、タミア・パツェックが6-2、6-2でロベルタ・ビンチに圧勝。前哨戦のイーストボーンも制し、ここまで9連勝中と絶好調のパツェックは、準々決勝でアザレンカに挑む。
また第3シードのアグニエシュカ・ラドワンスカも、予選上がりのカミラ・ジョルジを6-2、6-3で退け順調にベスト8に進出。ペトラ・クビトバとセリーナ・ウィリアムズ、そしてマリア・キリレンコらは、いずれもファイナルセットの接戦を制した。