6月9日 2019 全仏オープン 最終日
2年連続で同じ対戦となった男子決勝戦は、ラファエル・ナダル(スペイン)がドミニク・ティエム(オーストリア)を6-3、5-7、6-1、6-1で破り、全仏オープン12度目の優勝を飾った。ひとつのグランドスラム大会での優勝回数としては、コート夫人の全豪11回を抜き、男女を通じて歴代最多を記録した。(ちなみに3位はナブラチロワのウィンブルドン9回)
前日行われた女子決勝ではオーストラリアのアシュリー・バーティ(オーストラリア)がノーシードで勝ち上がってきた19歳のマルケタ・ボンドロウソバ(チェコ)を6-1、6-3のストレートで破り、グランドスラム大会に初優勝を飾った。
オーストラリア選手としての全仏オープンの女子シングルス優勝は1973年のコート夫人以来、46年ぶりの快挙だった。
「赤土の王者」ナダルは強かった
昨年に続き決勝に進出してきたティエムも凄く良いテニスをして頑張った。
凄い攻防が随所にあった。
2-2、ナダルのサーブで30-30の時。
先にナダルがドロップ・ショットで仕掛ける。
それをティエムはフォアでショートクロスにつく、
ナダルはバックのショートバウンドでストレートに、
ティエムはバックボレーで飛びつきクロスに、
ナダルはそれをとっさにフォアでストレートに、
ティエムは今度はフォアのボレーで飛びつき、クロスに打つ、
ナダルはそのコースを読んでいたので、バックでカット気味にストレートに返す、ボールはストレートにひょろひょろと飛んでいく、
ティエムはそれのボールを追い、走り体制を崩しながらもバックでダウン・ザ・ラインでトップスピンで強打、
ナダルも態勢を崩しながらベースライン付近でショートバウンドでストレートに返す、
それをティエムはフォアの逆クロスでオープンに決めた。
その状況、わかるかな? 第1セット、2-2、30-30の時だ。男子決勝YouTube
なにしろ一進一退、凄い試合。
最高のフレンチオープン男子決勝戦ではないだろうか?
レベルの高い戦いだ。
ティエムにブレーク・ポイントが来る。
20回、凄い攻防 最後はグランド・スマッシュでティエムが決めた。
最初にブレークしたのはティエム。3-2
しかしナダルがすぐにブレーク・バックし3-3とする。
ヘービ級タイトルマッチ 格闘技のような打ち合いが続いた。
しかし、ティエムには雨による中断や延期のせいで4日連続のプレーによる疲労には勝てなかった。
「自分はできる限りの全てをだして戦った。
凄い、ここで12回も優勝するなんて」と表彰式でのティエム。
前日に終了した準決勝ではグランドスラム4大会連続優勝に挑んでいた第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)を破っていたのだが。
優勝したナダルは激戦を振り返り
「(ティエムは)凄い努力家、それにいつも笑顔の素晴らしい人間だ。
次は君が優勝するよ」とエールを送った。
ナダルは2005年に18歳の時に全仏オープンに初出場で初優勝を飾っている。
それ以来15年間で12回優勝。全仏オープンは93勝2敗。(2016年は3回戦を左手首の怪我で棄権)
◎2]ナダル 63 57 61 61 ●4]ティエム
<<準決勝>>
◎4]ティエム 62 36 75 57 75 ●1]ジョコビッチ
◎2]ナダル 63 64 62 ●3]フェデラー
<<準々決勝>>
◎1]ジョコビッチ 75 62 62 ●5]A・ズベレフ(ドイツ)
◎4]ティエム 62 64 62 ●10]ハチャノフ
◎3]フェデラー 76(4) 46 76(5) 64 ●24]ワウリンカ
◎2]ナダル 61 61 63 ●7]錦織圭
男子シングルスドロー
「信じられない2週間。
今日はパーフェクトだった」とバーティ。 女子決勝YouTube
◆アシュリー・バーティ◆
1996年4月24日生まれ24歳、
5歳でテニスを始める。
オーストラリアのジュニアタイトルすべて優勝。
2011年ウィンブルドンジュニア優勝。同年ジュニア世界ランキング2位。
オーストラリア期待のホープだったが、プロ転向後、2014年全米を最後にホームシックでテニスを辞める。
約2年間、テニスから離れ、ブリスベンのクリケット選手として国内女子リーグでプレー。
2016年2月にテニスに復帰。世界623位から再スタート。
今年のマイアミオープン(4大大会に次ぐ格の大会)優勝。
ツアー通算5勝。166センチ、62キロ。
◎8]バーティ 61 63 ●ボンドロウソバ
<<準決勝>>
◎8]バーティ 67(4) 63 63 ●アニシモバ
◎ボンドロウソバ 75 76(2) ●26]コンタ
<<準々決勝>>
◎8]バーティ 63 75 ●14]キーズ
◎アニシモバ 62 64 ●3]ハレプ
◎26]コンタ 61 64 ●7]ステファンズ
◎ボンドロウソバ 76(1) 75 ●31]マテック
女子シングルスドロー
大会オフィシャルHP:ローランギャロス2019
賞金総額:€42,661,000(53億円)
本戦:男女128ドロー
赤土クレー
会場:Rolandgarros
本戦:5/26-6/09,2019
パリ現地時刻(時差-7時間)
オーダー・オブ・プレー及び結果
シングルス
優勝賞金:€2,300,000 (3億円)
準優勝:€1,180,000(1億5000万円)
ベスト4:€590,000(7300万円)
ベスト8:€415,000(5100万円)
4回戦:€243,000(3000万円)
3回戦:€143,000(1800万円)
2回戦:€87,000(1100万円)
1回戦:€46,000(570万円)
ドロー
記事:塚越亘/塚越景子/Y.Morishita/T.Terashima photo:H.Sato/Tennis Japan