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合計3ポイントがハイライトされています。一つ一つなぜポイントにつながったのかを観ていきたいと思います。
特に1,2本目のエースの取り方は僕がクレーで理想としている運動力学に基づいたポイントの取り方です。完全に相手の重心の反対に打っているのでボールのスピードもここまで速くなくても十分にエースがとれます。
では3ポイントを一つ一つ観ていきましょう。
1ポイント目
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ここでダウンザラインを打つことは既に決めており、その中、最善の方法は何か?相手の重心をバック(クロス側)にやることです。その為に相手にクロスを打つと身体でも表現しています。
タイミング早く取る行為によって相手はより素早く戻ろうとするので、加速スピードがより増します。そして逆をつくこれはボールの速さではなくてタイミングですね。相手の重心の反対を打って運動力学に基づいたエースとなります。
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意識的に肩を入れて打つ前にボールを隠しています。隠しているのもありますがここで効果的だったのは相手の重心を左足に誘っています。なのでその分スプリットステップもバックに向かおうとしている大きめのステップですね。わざとそのようにさせてまず相手の重心の反対をとりました。
自分の加速に耐えれず滑ってしまいます。ギリギリのコースでなくてもウィナーをとれます。
2ポイント目
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ここのエースはフォアサイドにもスペースが空くため当然と相手は警戒します。なぜエースがとれたのでしょうか。
まず回り込みダウンザラインを打つ前の肩ですね。0.19あたりの大げさに逆クロスを打つと表現しています。そして打つタイミングのときも身体を開いて打っています。
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これは逆クロスに打つ打ち方ですが、なぜ角度の着いたクロス気味のショットをうてたのかというとボールとラケットの接点が後ろではなく外側をとらえているからです。
そして外側をとらえることによって直線的なボールでないことです。ボールはより外に逃げるショットになります。
3ポイント目
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相手を下がらして返球が来た時点でポイントは決まっていました。
3セット目で相手の特性も読みボールが落ちる場所もほぼ高い確率で決めていたでしょう。(上位の選手になればなるほどこのお約束パターンに反した事をしてきます。)
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準備が早いのではなく、早くする手はずをすべて整えている。0からのこの素早さでボールに入る事は出来ません。
まとめ
たったこの3ポイントだけですが、この中でうかがえるのは
打つと見せかけること
ポイントの中での駆け引き
毎回打っていること
Repeatability(再現性)錦織選手のバックの精度がすべてを活かしています。
エース一つにもこれだけの背景があるのですね。これらを理解できればオーバースピードや練習時にも目的と外れた練習内容にならずにより試合に近づいた練習ができるのではないでしょうか?
コメント
錦織選手は相手の逆付くショットが得意ですし、そういうショットが元々好きそうですね。ライジングでオープンコート攻撃をちらつかせながら、ちょっとタイミングずらしてオープンの逆、とかも得意ですね。 クレーは適応の問題で、経験を積めば元々クレーを得意とする素質を持っていましたね。 問題はロングマッチが続いたときの体力と体のコンディションだけですね。