運命の出会い

今日は、僕がウィンブルドンチャンピオンのボリス・ベッカーを破ったときのパートナー小野田倫久プロがITAに訪れ、今彼が指導を行っているplayer(名久井聖良さん)が甲府国際オープンのため、数日早く甲府入りし、アカデミーの練習に参加してくれました。

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小野田プロ、谷澤プロが加わった最高の環境でレッスンを受けたアカデミー生は、みんな集中して、
充実した時間を過ごしました。

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〝練習は、自分の悪いところを埋めるために行うのではなく、良いところをさらに良くするために行う”
と話す小野田プロ!!に自分も谷澤プロも感銘しました。

彼(小野田プロ)との出会いは、彼が19歳でJAPAN OPEN(現楽天オープン)でした。

その時僕は、ヘルニアの手術後で2年間テニス界から離れて、やっとの思いで復帰した時だったので、ランキング(ATP)もゼロ、練習相手もなかなか見つからず、練習サインアップの場所で相手を探していました。

待つこと4時間、一本の電話が鳴り(夜10時)、小野田プロが誰か練習相手を探していると聞いた僕は、真っ先に手を上げて約束を取り付けました。

翌朝、お互い、名前は知っていたものの話をするのは初めて!

でも、あの時間に電話をして来るという事は、〝きっと他に誰とも話をしてないはず”、と読み、思い切ってダブルスの打診をしてみるとあっさり、〝いいっすよ!”と答えてくれた小野田プロ!

当時、ユニバーシアード代表だった小野田プロは、自分なんかより、もっと活躍している選手と組む事が出来たのに・・・僕にとってはここからラッキーは、始まっていたのです。

予選のドローに2人の名前が載っていなかったので、焦って本部に行って聞いてみると、君たちは本戦WCです。と言われ〝やったぜベイビー!!”

その一昨年前は、同じ会場でチケットを一般売り場で購入し、観客席から見ていて、〝来年はぜってーこの大会に出場する”と自分との約束を果たす事が出来た喜びは人一倍であったと共に、僕ごときとダブルスを組んでくれたミチに大感謝!!

しかも、相手がボリス・ベッカー!!

こりゃ勝つきゃないっしょ!!!

僕にとっては、決して大袈裟でなく人生の勝負!

なのに、試合が始まって、コートチェンジでベッカーとすれ違うたびに、「弘樹さん、僕達ベッカーとすれ違いましたよ!」「ベッカー足組んでますよ!」とわけのわからない事を言って舞い上がってしまっているミチでしたが、〝この試合、相手は俺たちをなめてかかって来ているから絶対勝てる!!”と言い続けました。

すると、ミチがスーパーショットを炸裂しだし、僕らの呼吸もピッタリと合い出して実力以上のプレーで奇跡が起きようとしたのですが、さすがに相手は、ウィンブルドンチャンピオン!!

ファイナル3-1で僕らがリードしたところから、ボリス・ベッカーの目の色が本気モードに変わってしまい、構え方にも明らかに変化が・・・「お願い!勝たせてくれ!!」

最後のマッチゲームは、僕のサーブスゲームだったのですが、すべてダブルファースト!

ファイナル5-4リード!30-0から、緊張のため手からボールが離れず10回以上トスをやり直したときの感覚は今でも良く覚えています。

マッチポイント。僕のサーブが入り、ベッカーが足元にリターン、ベッカーのプレッシャーに負けてハーフボレーをストレートに張ったりで撃ったショットが奇跡的にダブルスコートの角にオンライン!!
勝ち逃げ!!ゲームセット!横にいたミチは奇声を上げていましたが、観客の声で消されていて、
2人で思いっきり抱き合い喜びを分かち合いました。

ミチと話していると無邪気さは全くあの時のままで、お互い年はとったものの、あの時の気持ちに戻る事が出来るので、不思議な感じがします。

そして、なりよりも嬉しかった事は、これは谷澤プロにも同じ事が言える事ですが、昔切磋琢磨した仲間達と、もう一度同じコートに立ち、今度は育成という目標をもって夢を追えているという事!

主役は、もちろんジュニア達ですが、今度は脇役としてみんなでテニス界を盛り上げて行きたいですと思います。

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小野田プロ!谷澤プロ!どうもありがとう。
これからも、よろしく!!


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