斎田選手と国枝選手と共に・・・

斎田選手と国枝選手と共に行く遠征は、これで何回目になるだろうか？彼等の担当コーチとなって、多くの国を訪れ、幾度となく感動的な思いや、この上なく悔しい思いを繰り返し、斎田選手とは８年、国枝選手とは６年が経過した。

何ができるわけでもない１人のコーチが、選手と共に遠征を繰り返し学び続けて、気がついてみたら世界のトップとなっていたということに、今更ながら驚いている。彼等の域を超えた潜在能力と類まれな努力を目の前で見ることができることに感謝している。

多くの人に、「大変だね」と言われ続け、その度に、「大変と感じたことはないのだけど・・・」と心の中で言っている。なぜなら、単純に好きな事をして好きなことに熱中しているだけのことで、自分の中では普通のことであり、「自分のスタイル」を貫いているだけなのだ。

彼等に出会って、人が真剣に生きることを、知らぬ間に覚えさせられている気がする。10年前の自分と比べ、極めて真面目に生きていると思う。これだけは胸を張って人に言える。勿論、10年前に比べ、己が進化していなければ話にならないが、あのころの全てが「ママゴト」だったような気がしてならない。今から10年後も、今の自分が「ママゴト」をしているかどうか振り返ったとき、そのときの自分が、今の自分に何が言えるのか楽しみである。

基本的に、過去のことは振り返るようなことはしていない。自分自身のギアは前進のみであり、物心ついたときには、バックにはギアが入らないように完成されてしまったようである。一晩寝れば、嫌なことの殆どを忘れてしまうため、幸か不幸か分からないが自分でも呆れていることは確かである。
来年の北京に向けて彼等と残すところ数回の遠征となるが、その度に今の自分を振り返り、何を学び、何を伝え、何を感じることができるのか？自分に質問したいと考える。
突っ走ることも大切だが、少し振り返る余裕を持つことも大切と感じてきたこのごろ、今までと違う自分にチャレンジしてみたいと思っている。

物を言わずに教えてくれる選手達に感謝している。また、自分が今いる周り全ての環境に感謝している。これからは、自分自身を振り返ることにより、人に対して何がしてあげられるか？そんな余裕を持って生活していこうと考える。

明日は、世界マスターズ（世界のトップ８の今年度最終戦）へ向けてオランダへ向う。現在、イタリアで行われている、ダブルスマスターズに出場している、斎田選手・国枝選手・八筬選手と合流し、世界の頂点を目指す。

また、現地から報告したいと思いますので、皆さん応援してください。
それでは、行ってきます。