ヒューイット(左)、錦織(右)
11月18日に、東京・有明コロシアムで、東日本大震災チャリティテニス「日清食品 ドリームテニスARIAKE」が行われ、<a href="http://pro.tennis.錦織圭、添田豪といった日本を代表する選手をはじめ、元世界ナンバーワンのレイトン・ヒューイットも駆けつけた。ただ、当初予定されていたビヨン・ボルグは、体調不良で来日しなかった。
まず、ドリームシングルスでは、錦織対ヒューイットが行われた。第1セットを取られた錦織は、第2セット序盤に、審判のマイクを使って、「このままだと負けてしまうので、応援お願いします」と、観客を味方につけるなど、チャリティマッチらしい場面も見られた。世界トップレベルのプレーに観客からは歓声が送られた。今回のチャリティマッチに参加した理由を、ヒューイットは次のように語った。
「震災のチャリティであることが、今回参加した理由です。僕は、日本にとても愛着を持っています。自然災害の後は、今回のように皆が力を合わせることは、当たり前のことなのです。以前、オーストラリアのクイーンズランドで大洪水があった時、オーストラリアンオープンでチャリティマッチがありましたので、本当にごく当たり前のことをしただけなのです」
松岡修造
2試合目のドリームダブルスでは、ボルグに替わって、日本人プロテニスプレーヤー第1号の神和住純が参加して、元プロテニスプレーヤーの吉田友佳とペアを組み、いずれも元プロテニスプレーヤーの松岡修造と神尾米ペアと対戦した。
最後のドリームミックスダブルスでは、錦織/添田豪組対ヒューイット/鈴木貴男組が行われ、錦織は、日清のカップ麺「麺職人」のCMで松岡が扮装したのと同じように、白いラーメン職人の衣装で登場し、会場を大いに沸かせた。さらに、珍プレー好プレーが連発する中で、錦織は、テニスラケットをラーメンの湯切りに持ち替えて、ボールを見事にヒットさせ、この日一番の拍手喝采を浴びた。
「レイトンもそうですけど、皆さんが駆けつけてくれて、いい日になったと思います。僕は、皆さんにいいプレーを見せることが、自分にできる唯一のことだと思うので、これからも精進して強くなって、皆さんにいいテニスを見せられるように頑張りたい。これで少しでも復興に役立つわけではないかもしれないけど、少しでも楽しく思えてもらえるようなことが、これからもできたら、と思っています」このように錦織は、“テニス愛”が被災地に届く事を願い、今後も何らかの形で復興への力になりたいことを約束した。
チャリティマッチを行った錦織ら
なお、本大会の収益の一部は、被災地のテニス協会を通じて、東日本大震災の復興事業にあてられる。復興への道のりは、まだまだ時間がかかることだが、来年以降も、「ドリームテニスARIAKE」が継続されることを希望したい。
Text&Photo by Hitoshi Ko