オーストラリア・メルボルンで開催中の全豪オープンは17日に男女2回戦が行われ、森田あゆみがアニカ・ベックを、6-2、6-0で破り3回戦進出を決めた。
「スコアほどは、簡単な試合ではなかったです」
試合後に述べたその言葉は、森田の本心だろう。スコアこそ、6-2、6-0だが、ディースにもつれ込んだゲームは5つ。だが競った中で大切なポイントを手にし、結果的に完勝したところに今の森田の強さがある。相手のブレークポイントでエースを決めるなど、サーブが安定していたのも大きな勝因だ。速いリズムで広角に攻めてオープンコートを作ると、迷わず強打を叩きこむ。現在取り組んでいる「コートに入り早いテンポで攻めるテニス」を完遂し、奪ったウィナーは25本。終盤は、やや気落ちした相手に立ち直る隙を与えず、一気に勝利を奪い去った。
これで、2年ぶりに全豪で3回戦に進んだ森田が次に対戦するのは、実質的に、現時点で世界最強の選手と言えるセリーナ・ウィリアムズ。初戦は、6-0、6-0で圧勝し、足首の怪我の状態が心配された今日の2回戦でも、6-2、6-0で強さを見せつけている。
森田にとってセリーナとのシングルスでの対戦は初めてだが、過去にこの全豪オープンで、ダブルスでは対戦済み。その時のセリーナの印象を、森田は「スピンを掛けてくるので、ボールが直球的に速いという印象は無い」と語り、「今取り組んでいる、速いリズムの自分のテニスで向かっていこうと思っている」と意気込みを口にする。
身体が良く動き、テニスの調子が良いことは本人が誰よりも実感していること。「自分がどれくらい出来るのか、楽しみ」という言葉が明るく響く。
※写真は全豪オープン4日目、2回戦でアニカ・ベックに完勝した森田あゆみ
Photo by Hiroshi Sato