クルム伊達公子(100位)が、全豪オープン3回戦で、ボヤナ・ヨバノフスキ(セルビア、56位)に2-6、6-7(3)で敗れ、ベスト16入りを逃した。
クルム伊達は、右アキレス腱の固まりを感じ、テーピングをしてのプレーだった。第1セット第1ゲームでブレークに成功するが、クルム伊達に2回戦までのような体のキレは無く、フォアストロークをはじめミスが多く、3回のブレークを許してセットを先取された。
第2セットに入ると、徐々にクルム伊達の動きが良くなり、ショットの粘りが出てくる一方で、ダウンザラインへ積極的に打っていたヨバノフスキにミスが出始め、ブレーク合戦となった。伊達のサーブは、ファーストサーブの平均時速が133kmで、ヨバノフスキにリターンを叩かれることもあった。
だが、クルム伊達は、気力を振り絞りながらコートを駆け回り、自分のショットが決まるときだけでなく、たとえヨバノフスキのミスであっても、「カモン!」と叫びながらガッツポーズをつくって自らを鼓舞した。結局、第2セットは、お互い4回ブレークしてタイブレークに突入。タイブレークでは、ヨバノフスキが、フォアの逆クロスへ2本、ダウンザラインへ1本ウィナーを決めてクルム伊達を引き離し、タイブレークを7-3で制した。ヨバノフスキは、ミスを52本犯したもののウィナー29本を叩き込んで、勝利を引き寄せ、グランドスラム自身初のベスト16入りを決めた。
一方、敗れたクルム伊達だが、再チャレンジ後、初のグランドスラム3回戦進出を決め、再浮上のきっかけをつかむきっかけとなる大会となった。
「自分と想像していたことと全く違うことが起きて、まさか42歳で3回戦までいける日が来るとは本当に思ってなかった。結果はもちろんですが、体が充実していれば、毎回は無理かもしれないけど、自分のテニスができることを確信できた。そういう意味で、本当に収穫の多い2013年全豪オープンでした」(クルム伊達)
今後、クルム伊達は、春までハードコートの大会に出場して、さらなる上を目指す。
※写真は3回戦でボヤナ・ヨバノフスキに敗退したクルム伊達公子
Text by Hitoshi ko
Photo by Hiroshi sato