9月20日 東レ・パンパシフィック・オープン

ダブルス準々決勝で加藤未唯(ザイマックス)二宮真琴(橋本総業)組がキチェノク(ウクライナ)、スレボトニック(スロベニア)組に6-4、2-6、10-7で勝利し、準決勝に進んだ。
今西美晴(島津製作所)ツァヤ(ドイツ)組は第1シードのストリコバ/フラバチコ(チェコ)組に4-6、2-6で敗れた。

大坂なおみ(日清食品)対ストリコバ(25位、チェコ)の準々決勝は21日(金)12時開始の第3試合(午後3時以降)となった。
9月21日オーダー・オブ・プレー 加藤未唯二宮真琴組のダブルスは2時から始まる。

加藤未唯/二宮真琴ダブルス
94年生まれのライバルたち

「絶対に負けたくなかった」
先週行われた『花キューピットオープン』(広島市開催)のダブルス決勝で顔を合わせた4選手のうち、3人までもが、そう言った。
3人の内訳は、ジャン・シューアイと組んだ穂積絵莉と、二宮真琴/加藤未唯のペア。少女時代から旧知の仲である94年生まれの3人は、互いが互いを意識せざるを得ない存在だ。

3人のなかで精神的に最も緊張を強いられたのは、広島出身の二宮だろう。親族はもちろん、幼少期から自分を指導してくれたコーチや恩師たちも顔をそろえる観客席。「とても緊張した」ことに加え、相手は今年の全仏でペアを組んだ穂積だ。

2018年6月フレンチ・オープン準優勝の穂積絵莉/二宮真琴

「絵莉ちゃんだから、いつも以上に負けたくないと思った」ことを、二宮は否定しなかった。

その思いは、ベスト4に進出した昨年の全豪をはじめ、穂積と長くペアを組んできた加藤にしても同様だ。「いつもと同じ試合」と自分に言い聞かせたと言うが、それはそうでもしなければ、相手を強烈に意識してしまうということだろう。

対する穂積には、相手が日本人ペアなうえに地元の二宮が居ることで、アウェーになることへの覚悟が端からできていた。そしてそのような状況の方が、発奮し良いプレーができる自分の特性も知っている。加えるなら「真琴が緊張するだろう」ことも織り込み済み。精神的には、穂積の方が伸びやかにプレーできる状況にあった。

果たして決勝の一戦は、多くの局面で穂積が望んだ展開となる。ジャン・シューアイも強烈なストロークで押し込み、二宮と加藤が得意とする前での動きをさせなかった。
第2セットに入ると、二宮と加藤は揃ってベースラインに下がり、後方から打ち合うようになる。これは穂積にしてみれば、想定外ではあった。だが「二人の武器である前での動きが無くなった分、少し楽になった」という。

加藤と二宮たちの狙いは、ストローク主体の相手に対し、敢えて同じ土俵に乗って勝負しようという点にあった。自分たちの王道的なダブルスの動きが、どこか相手のプレーに噛み合わないとの思いがあったのだろう。だがやはりそこは、自分たちの強みが生きる場所ではない。
「もっと2人で、前で動けていれば……」
自分の土俵に相手を引き込むべきだったと、試合後に加藤は悔いた。

結果として今大会では、穂積が勝者の喜びにひたり、準優勝の加藤と二宮は悔しさを噛み締めた。そのいずれもが、他の対戦相手では、あるいは別のパートナーとでは味わえぬ固有の感情だろう。そうして掛け替えのない一戦を経て、同期のライバルたちはまた、それぞれの道を進む。

2017年1月オーストラリアン・オープン4強の加藤未唯/穂積絵莉

穂積は、当面はシングルスを優先すべくオーストラリアのITF大会へ。

ダブルス専念を公言した二宮は加藤と組み、国内開催最高峰大会である東レパンパシフィックオープンへと向かった。日本のファンの大声援を浴びながら笑顔でコートを掛ける2人は、本日も際どい試合を勝ちきり、ベスト4へと進出している。

Written by 内田暁

94年組み 1994年生まれ日本女子プレーヤー
穂積絵莉(橋本総業)1994/2/17
二宮真琴(橋本総業)1994/5/28
加藤未唯(ザイマックス)1994/11/21
日比野菜緒(LuLuLun)1994/11/28
尾崎里紗(江崎グリコ)1994/4/10
澤柳璃子(フリー)1994/10/25
鮎川真奈(エームサービス)1994/9/14
林恵里奈(福井県体育協会)1994/7/21
楽しそうにプレーする二宮真琴/加藤未唯 PPO4強
加藤未唯/二宮真琴 東レPPO優勝狙う

記事:塚越亘 塚越景子 写真 鯉沼宣之 伊藤功巳/TennisJapan