錦織圭(テニス)米国フロリダ州マイアミで開催中のソニー・オープンは22日、男子シングルス2回戦が行われ、第13シードの錦織圭がルーマニアのビクトル・ハネスクと対戦。6-3、6-3で快勝し、3回戦進出を決めた。

高速サーブを誇るハネスクだが、その相手の最初のサービスゲームをブレークすると、続く自身のゲームをキープし流れを掌握――錦織が必勝パターンで、力強く勝利を手にした。

2月のメンフィス大会で優勝するなど今季好調の錦織の最大の懸案事項は、そのメンフィスで負った腹筋のケガだった。2週間前のインディアンウェルズではケガが癒えず、サーブは6~7割程度の力で打たざるを得ない状態。「サービス以外の動きに影響はない」とは言うものの、サービスでリズムを作れなければ、錦織本来の持ち味であるゲームメイクも困難になるのは必然だった。

その腹筋は、今回のマイアミ初戦でも「まだ多少、痛みはある」状態。それでも「それ以外のプレーが良かったし、リターンで集中してブレークを多く取れた。攻撃的に攻められたし、完璧に近い内容だった」と、試合後に確かな手応えを静かに噛み締めた。ハネスクの弱点であるバックを積極的に狙い、相手のフットワークにやや難があると見るや、左右に振ってミスを誘う。バックのスライスの打ち合いでは無理をせずにラリーに付き合い、攻めの機を見つけるや、フォアで鋭く切り返す。自らの軽快なフットワークを生かし、抱負な球種と緩急でリスクを犯さずに試合を支配する、正に錦織圭のテニスだった。
 
次の対戦相手は、同じIMGアカデミーを拠点とするグザビエ・マリス。かのロジャー・フェデラーも認める程の天才肌で、錦織がアカデミーに初めて行った13歳の頃から、何度も練習をしてきた選手だ。

「不思議と対戦はないけれど、凄くセンスのある選手。対戦が楽しみ」
穏やかな口調で「楽しみ」と言い切る強い視線に、秘めた自信が鋭く光った。

――今日の相手には、どう攻めようと思っていたのか?
錦織:基本的にはバックを狙っていました。(相手は)高い打点のボールは打ててなかったので、怖さは無かった。急にテンポを上げて攻めるなど、攻撃的に行けた。相手はフットワークもそこまで良い選手ではないので、そこをしっかり攻めていけました。

――第2セットでは先にブレークを許したが、その後にギアを上げられた?
錦織:そうですね。ちょっと油断したゲームが1~2つあったが、直ぐに集中してブレークバックできたのが良かった。良いプレーの時はしっかり集中できていました。

写真は、ソニー・オープン2回戦に勝利した錦織圭
Photo by Hiroshi sato