26日、ロンドンで開催されているテニスの四大大会の一つウィンブルドンは、男子シングルス2回戦が行われ、ディフェンディング・チャンピオンで第3シードのロジャー・フェデラー(31歳、スイス)が、セルギ・スタコフスキ(27歳、ウクライナ)に7-6(5)、6-7(5)、5-7、6-7(5)で敗れる大波乱が起きた。フェデラーは記録更新中だったグランドスラムでの連続ベスト8進出記録が、36大会でストップとなった。
お互いにサービスキープを続けて1セットオールで迎えた第3セット、第11ゲームでこの試合初となるブレークに成功したスタコフスキがこのセットを奪いフェデラーにプレッシャーをかける。
ウィンブルドン7勝を誇るフェデラーは第4セット序盤でスタコフスキにブレークを許してしまうが、第6ゲームでブレークバックに成功すると、第12ゲームでセットポイントのチャンスを迎える。しかし、フェデラーはこのチャンスを生かすことが出来ず、このセットもタイブレークに突入。
芝の王者の逆襲か大金星か、緊張感にあふれるタイブレークでリードを奪ったのはスタコフスキ、6-4とマッチポイントを握る。1本目はフェデラーがフォアのパスを決めピンチを逃れるが、2本目のマッチポイントでフェデラーのバックハンドがサイドアウト。勝利の瞬間、スタコフスキは膝からコートに崩れ落ち、全身で勝利の喜びを表した。
フェデラーが数々の記録を打ち立ててきたウィンブルドンのセンターコートでの大金星となったスタコフスキは「信じられない。魔法にかかったようです。彼は最高の選手で、全ての選手が尊敬している。最高のプレーをしても、彼に勝つには足りなかったでしょう。ウィンブルドンでフェデラーと対戦するときは、彼自身と彼がセンターコートで築き上げた歴史と対戦するようなものです。最初は試合になるかどうかすら心配でした。第4セットは少し緊張しましたが、全てがうまくいきました」と心境をコメント。
一方でフェデラーは「どんな試合でも負ければ残念だけど、特にここで負けるのは辛いことだね。だけど、コートを去るときにスタンディング・オベーションで見送ってくれたことには感謝している」と、1回戦敗退だった2002年ぶりとなる早期敗退の心境を語った。また、36で途切れたベスト8進出記録については「素晴らしい数字だし、満足している。今日、記録が途絶えることは望んでいなかったけど、また前進するしかない」としている。
この日は男女シングルスで上位陣が敗れる波乱が続出。男子では第6シードのジョーウィルフリード・ツォンガ(28歳、フランス)が途中棄権で大会を去ったほか、女子では第2シードのビクトリア・アザレンカ(23歳、ベラルーシ)が1回戦で痛めた膝を理由に棄権、第3シードのマリア・シャラポワ(26歳、ロシア)はミシェル・デブリト(20歳、ポルトガル)に3-6、4-6で敗れている。