ロンドンで開催中のウィンブルドン選手権は6日に男子車椅子ダブルス1回戦を行い、国枝慎吾がステファン・ウデと組んで出場。ガーデン・レイド/マイケル・シェファーズ組を6-3、6-3で破り、7日の決勝戦に駒を進めた。

スコア以上に、厳しい試合だった。ウデと国枝は先の全仏の優勝者と準優勝者であり、ダブルスでも頂点に立った車椅子テニス界最強のペア。だが、いずれのセットでも相手にブレークを許し、簡単には逃げきれない。特に第2セットでは、レイドの強打に押されて主導権を握られる場面もあった。

「芝では、車椅子をプッシュする(漕ぐ)のがさらに難しい。重いので、第1セットの時点でけっこう疲れてしまった」

ストレート勝利にも関わらず、国枝の表情や言葉も会心とはいかなかった。だがそれは、求める物が高いゆえの、己への厳しさである。ウデとは、シングルスでも幾度とタイトルを競った最大のライバル。「一緒にプレーしながら『調子良さそうだな~』と、最近は少し気になる」と認める程のライバルだからこそ、パートナーとして全幅の信頼も寄せているし、単なる勝利では満足できない。

「ウデはダブルスが上手いし、パワーが飛び抜けている。このペアは彼の攻撃力と、僕の守備が持ち味。以前は個人2人でやっている感じだったが、最近はコンビネーションも良くなってきた」

2人の王者によるペアは、連携にも磨きをかけ、完璧なる優勝を目指す。

写真は、フォアハンドを打つ国枝慎吾
Photo by Hiroshi sato