西日本大会に続き、8月9、10日に『杉山記一杯supported byリポビタン 第1回東日本大会』小学生の部、中学生の部があざみ野ローンテニスクラブ(神奈川県)にて開催された。
初日は台風の通過に伴う雨に見舞われたが、美しい虹を仰ぎつつ試合は無事に行われ、小学生の3カテゴリーの優勝者が決定した。翌日の中学生の部は猛暑となったが、暑さ対策や感染対策を万全に行う中、選手たちはしのぎを削った。
試合が終わった後は、杉山記一、増田健太郎、伊藤竜馬、斉藤貴史、田沼諒太、山崎千鶴プロが6面に分かれてクリニックを開催。試合の反省点をすぐにコートでチェックし、プロのアドバイスによって、さらなる上達を目指した。
この大会は、子どもたちが試合を戦うだけではなく、現役プロたちによる試合のチェック、アドバイスやクリニックが受けられることも大きな特徴の一つとなっている。トーナメントアンバサダーの杉山プロは「これは子どもたち側からすればプロのアドバイスを受けられる良い機会でもありますが、逆にプロから見ると、子どもたちにこの活動と存在を知ってもらい、そして応援してもらうという双方へのメリットがあります」と意図を語る。
伊藤竜馬プロも「コロナ禍ということもあり、プレーを見せることができなくなっている中、子どもたちとこうやって触れ合えると、僕自身も元気がもらえます」と、このイベントが選手活動へのエネルギーになっているようだ。
中学生・下級生の部で優勝した福田小春さんは「山崎プロにチャンスボールの打点についてアドバイスを受けました。ボールとの距離が近くなったり遠くなったりをバラつきがあると言われたので、これからはそれを意識して練習していきたいです」とプロからのアドバイスで新たな課題を見つけた。
今大会で選抜された選手は全国大会へ進出する。優勝の喜びとともに新たな課題を胸に、さらに成長した姿を見せてくれることだろう。
【第1回リポビタン杉山記一杯 東日本大会】
・小学生1、2年生の部 優勝 浜本まりあ 準優勝 濵田悠太
・小学生3、4年生の部 優勝 鈴木翔大 準優勝 中村玲
・小学生5、6年生の部 優勝 安藤颯太 準優勝 阿部湧
・中学生下級生の部 女子優勝 福田小春 準優勝 佐藤芽生
●中学校 下級生の部 女子優勝 福田小春のコメント
「今日の試合は90点くらいでした。サーブとチャンスボールが良かったことと、相手に打たれた時にしっかり守ることができました。自分から速いサーブを打てて、相手を動かすことができました。打たれたときの守りが相手より上だったことが、接戦でも試合に勝てた理由です。また、山崎千鶴プロから『ボールとの距離が近くなったり遠くなったりをバラつきがあるので、一定の距離感で打てるといい』と言われました。これからはそれを意識して練習して、全国大会では100点満点の試合で優勝を目指したいです」
・中学生下級生の部 男子優勝 家田侑翔 準優勝 田中雄真
●中学校 下級生の部 男子優勝 家田侑翔のコメント
「全体的にミスが少ない戦いをしながら、決勝まで上がってこられて、最後優勝もできたので良かったと思います。次の大会もあるので、しっかり準備して勝ちたいと思います。相手に打たれてもミスをせずに返し、自分から攻めていくようにしたところが良かったと思います。増田健太郎プロから『今日のように風の強い日は、サービスを回転かけて入れていき、打てる時に打つ』というアドバイスをいただき、それを意識したことによって、サーブのミスが減りました。プロのアドバイスは的確で今後につながると思います。成蹊中学の代表として全国中学に出場するので、この後は優勝を目指して練習を頑張っていきたいと思っています」
・中学生上級生の部 女子優勝 小野陽菜 準優勝 山下ひより
●中学校 上級生の部 女子優勝 小野陽菜のコメント
「どんな試合でもそうなのですが、ミスが多くなると負けてしまうので「押しじこり」という、相手を押しながらもミスらないプレーを心がけました。決勝では相手からの速いボールを当てて返すだけでは決められてしまうので、自分からも攻撃するようにしていました。テニスはめちゃくちゃ楽しいです。自分の球が決まったときの感じが好きです。この後、全日本Jr.に出場するのですが、考えているのは一つは押しじこりをすること。もう一つは前に入ってボレーなどで決めたいと思っています。名古屋で行われたMUFGジュニアでベスト8だったので、今回は最低でもベスト4、そして優勝を目標に戦いたいと思います」
・中学生上級生の部 男子優勝 梅田琉聖 準優勝 佐野宙輝
●中学校 上級生の部 男子優勝 梅田琉聖のコメント
「自分がいつも意識しているのは、攻めの姿勢で試合をすることです。今日は1日を通してしっかりできたので、(決勝は)6-1というスコアで勝つことができたのではないかと思います。今後も攻めの姿勢を忘れないということを前提に、その中でどれだけミスを少なくできるかということを重点的に練習していきたいと思います。今日はサーブの調子があまり良くなかったのですが、特に男子はサーブで崩してその後の1発で決めるというスタイルが多いので、もっとサーブが良くなることが課題です。今は中2で、ジュニアの時代はもうあと4年もないので、そこでどれだけ結果を残せるか、時間を大切に練習をしたいです。育ててくれた両親にも恩返ししたいと思っているので、ウインブルドンとか出られるようなプロを目指して頑張ります」
取材/保坂明美 写真/伊藤功巳・市野穣