26日、イスタンブールで開催されている女子テニスツアーのファイナル、WTAチャンピオンシップはシングルス準決勝2試合が行われ、セリーナ・ウィリアムズ(32歳、米国)とリー・ナ(31歳、中国)がそれぞれ勝利、決勝に進出した。この日の試合でセリーナはエレナ・ヤンコビッチ(28歳、セルビア)を6-4、2-6、6-4で、リーはペトラ・クビトバ(23歳、チェコ)を6-4、6-2で下している。

グランドスラム17勝と圧倒的な戦績を誇るセリーナ。そのセリーナから4勝以上している現役選手は2人しかおらず、その内の1人がヤンコビッチだった。そのヤンコビッチから第1セットを先取したセリーナだったが、第2セットに入ると展開が一変、今度はヤンコビッチが試合の流れを掴んだ。

第3セットでは5-1と大きくリードを奪ったセリーナに対し、ヤンコビッチは3ゲームを奪い返す奮闘を見せたが、4本目のマッチポイントでスマッシュを叩き込み勝利、2時間6分の接戦の末に決勝への切符をもぎ取った。

「多くの試合をこなしてきて、少し疲労を感じる」としたセリーナだったが、「正直言って、勝ち残っていることに満足しています。また決勝に進めて光栄です」と大会連覇への意欲を見せている。

一方のリーは、試合序盤から3-0とリードを奪うものの、すぐにクビトバに挽回を許してしまう展開に。今大会ここまで3連勝を飾っているリーだが、序盤にリードを奪いながらも、中盤で追いつかれる展開が多かった。「今大会通しての大きな問題です。最初はとても良いプレーなのに、それからリラックスしすぎてしまいます」

第1セット終盤で抜け出しリードを奪ったリーは、第2セットでは1-2から5ゲームを連取、一気にクビトバを突き放し、1時間36分でアジア人選手として史上初となるWTAチャンピオンシップ決勝進出を決めた。

またリーは、この日の勝利により、大会後に発表される世界ランキングで3位になることが決まった。これまでの自己最高ランキングがクルム伊達公子と同じ4位だったリーは、アジア人女性としての最高記録を塗り替えることとなった。

中国テニスのパイオニアとして数々の記録を持っているリーは「3位になるのは今年の目標でした。最後の大会で達成でき、とても満足しています」と、新たな勲章の獲得を喜んだ。