今年8月、さらに高いレベルのテニスを目指し、アメリカに渡ったクロスリー真優。フロリダのエバート・テニス・アカデミー(以降、ETA)に所属し日々努力を重ねている。渡米後、11月にはITFジュニアでファイナリスト(雨により決勝が中止)に、そしてサンディエゴで初優勝を収めたクロスリーについて、アカデミーの代表を務めるクリス・エバートが語った。

これまで日本人選手が在籍していたことがあるエバート・テニス・アカデミー(ETA)だが、エバートは日本人の印象について「日本の選手は歴史的に見ても、素晴らしい競争相手として知られていますし、非常に集中力があり、冷静で、規律正しく、一貫性がある」と評価する。

クロスリーに関しても「マユの練習を何度も見てきましたが、彼女のグラウンドストローク、特にフォアハンドは非常にパワフルなショットであり、武器になります」と期待を寄せる。

現在はコートでのポジショニング、よりアグレッシブなプレーヤーになるための努力、そしてネットゲームへの移行などを主に強化しているが、中でも「彼女のコートカバーリングにはとても感心しています。動きがとてもよく、予測力、敏捷性、直感力に優れているので、多くのボールに対応することができますし、良いタッチと高い技術を持っています」と可能性を感じている。

「もう少しパワーが加われば、彼女のゲームは完成するでしょう。彼女はまだ若いですが、非常に成熟しており、高いテニスIQを持っています。彼女の勤勉さと総合的なプレー能力には感心しています。彼女がETAファミリーの一員であることを嬉しく思います」

また、ETAの強みは「優れたコーチングスタッフと、家庭的な環境」にある。

「非常に経験豊富で知識のあるコーチングスタッフが在籍しています。私の兄であるジョンは、綿密な面接の後、すべてのコーチを厳選しており、コーチや選手と日々接しています。現在、私たちのスタッフとなっている多くのコーチは、ATPやWTAの選手と一緒に仕事をしてきました。 彼らは経験に加えて、生徒の利益を最優先する思いやりのある人たちです。 また、ETAが家族的な環境であることを誇りに思っています。子どもたちは一生懸命練習していますが、コートの中でも外でも彼女らの健康を気遣う深い気持ちがあります。また、保護者の方もチームの一員として参加していただきたいので、ETAでの子どもたちの経験には保護者の方も参加していただいています」

親からの干渉を避けて、距離を置くことはせず、ジュニアが親とともに生活することや、十分な対話を重視している。

クリス・エバート(左)とクロスリー真優。写真/プランB

フロリダという良い気候の中、屋外で十分な練習ができることでスキルアップが図られ、有能なコーチングスタッフによって、戦うために必要な要素を身につける。生活とテニスという総合的な観点で、サポートするETAは、クロスリーにとって大きな成長の場になるはずだ。

V・アザレンカも練習に訪れるという、刺激的な環境で、15歳の挑戦がスタートしている。

インタビュー、写真協力/プランB 構成/保坂明美