土居美咲
台北で開催中の、“WTAチャレンジャー125”カテゴリーのOECオープン。大会5日目の8日にはダブルス2回戦が行われ、土居美咲/謝淑映ペアは、Y・シュベドワ/C・ガルシア組に3-6、6-3、9-11で敗れ、準決勝進出は成らなかった。

今大会で初めて組んだ日台ペアが、台北の観客を大いに沸かせた。

謝淑映は、今年のウィンブルドンを制したダブルス巧者の謝淑薇の妹。姉同様にトリッキーなショットの数々と、ダブルスを熟知した前衛での巧妙な動きが持ち味だ。

対する土居は、スピンを利かせたパワフルなストロークと、軽快なフットワークが武器。そんな二人のペアは高質な化学反応を生み、初戦では第1シードのクルム伊達/張帥を破ってきた。

この日の試合でも、第2セットで両者の強みが存分に発揮される。土居が後衛の打ち合いで相手を押し込むと、謝淑映が前衛で相手の虚を突く硬軟自在のボレーを決める。得意のパターンで3つのブレークを奪い、10ポイントのマッチタイブレークへと持ち込んだ。

この最終セットでは、サービス力に勝る相手が9-4とリードを広げるが、ここから相手のダブルフォールトを機に猛追撃を開始。8-9の場面では、土居の強烈なリターンを足がかりに、ついに9-9と追いついた。

勢いは完全に、土居/謝淑映ペア――。しかしここでガルシアが、起死回生のエースを叩きこむ。この一本で再び流れを引き寄せた相手ペアが次のポイントを奪い、土居たちは僅かに勝利に届かなかった。

それでも、先週の南京チャレンジャーでダブルス優勝した土居は、シーズン終盤でポイントを荒稼ぎし、7月には700位前後だったダブルスランキングを150位台までジャンプアップさせて来た。「まだ前衛の動きに自信がない」と言うものの、「ボレーなど、ダブルスの技はシングルスにもつながっていく」と、今後はダブルスにも積極的に出ていく意向を示した。