11日、NEC車いすテニス・マスターズはシングルス決勝が行われ、男子シングルスで国枝慎吾(29歳)が、女子シングルスで上地結衣(19歳)がそれぞれ勝利。国枝は2年連続2度目、上地は初となる優勝を飾り、日本勢がアベック優勝という初の快挙を成し遂げた。

ラウンドロビン・ステージを2勝1敗で勝ち抜けていた国枝は、準決勝で世界ランク2位のステファン・ウデ(42歳、フランス)と対戦。今季は全仏オープンとUSオープン決勝で敗れていた因縁の相手を6-2、2-6、6-2で破ると、決勝ではヨアキム・ジェラール(25歳、ベルギー)に6-0、7-6(9)のストレートで勝利、見事に大会連覇を成し遂げた。

世界ランク1位の国枝は、第1セットで同ランク6位のジェラールをベーグルで圧倒すると、第2セットも4-3とリードを奪う。しかし、ここまで全勝で勝ち上がってくるなど今大会好調のジェラールも粘りを見せ、このセットはタイブレークまでもつれる。タイブレークでは6-4とした国枝がマッチポイントを迎えるが、ジェラールも7-6、8-7とセットポイントのチャンスなど混戦になるが、最後は国枝がジェラールを突き放した。

一方の上地は決勝でイスケ・グリフィン(28歳、オランダ)を7-6(3)、3-6、6-4のフルセットで撃破、嬉しい初優勝を決めるとともに、1994年から始まった今大会で初となるオランダ勢以外のチャンピオンとなった。

過去19年間、誰も崩せなかったオランダ勢の牙城を打ち破った上地は「素晴らしいシーズンでした。今年は初めてスーパーシリーズで優勝できて、最高ランキングも更新しました。来シーズンが楽しみですし、グランドスラムのタイトルも狙いたい」と、その視線はすでに来年のメジャーを照準にとらえていた。

14歳で全日本ランキング1位となり、それ以降は着実に世界トップへの道を一歩一歩登ってきた上地。20歳になる来年は、さらに大きな目標に向かって歩み続ける。