オーストラリアン・オープン4回戦で錦織圭は第1シード、世界1位のR・ナダル(スペイン)に6-7(3),5-7,6-7(3)の接戦の末に敗れた。
第3セットでは先にブレーク、5-4、サービング・フォー・ザ・セットとセットを取れるチャンスもあった。錦織は「悔いの残らないように攻めた。」と言う。その結果ミスを3連発。
この場面、もっと大事に行くべき、と言う意見はあるだろう。もしあなたがこの立場だったら攻めたか?あるいは、もっとミスを抑えた安全策で戦ったのだろうか?
ミスを恐れず、ここで攻める。
簡単そうに聞こえるがこんな局面に立つと、なかなかできない事だ。
この姿勢の積み重ねこそが錦織圭を成長させるものだと思う。錦織圭の判断は正解だと思う。錦織圭対ナダル戦の詳細をフォトストリーでお届けしよう。
<全豪オープン4回戦>
●16)錦織圭 6-7(3) 5-7 6-7(3) 〇1)R.Nadal(ESP)
対戦成績はナダルの5勝。2013年フレンチ・オープンでは4-6,1-6,3-6と錦織らしさが出せずに負けている。
ロッド・レーバー・アリーナに二人が入場してきた。
第1試合ではシャラポアが負けた。
第2試合ではアザレンカが一方的な勝利を収めた。
そしていよいよ第3試合、錦織対ナダル。15時半過ぎに入る。
すごい地鳴りのような歓声だ。
錦織のサーブで始まる。
ファーストが入らず、固い立ち上がりの錦織。
フォアのミスが多い。サーブを落としてしまう。
ナダルの第2ゲーム、
185キロのサービスワイドエース。7ポイント連取される。(0-2)
錦織の第3ゲーム、
錦織はフォアのダウン・ザ・ラインのウィナーを決める。
バッククロスからバックのダウン・ザ・ラインのウィナーも。
ファーストが入れば、自分のペースを取り戻せるはずだ。錦織キープで1-2。
ナダルの第4ゲーム、
ナダルのフォアクロスのアプローチを錦織はバックでアングルパスウィナー。
ライジングスーパーショットだ。
ここでナダルは意識したのか?バックを3連続ミス。珍しい。
2-2とブレーク・バック!早くにブレーク・バックできたのは大きいぞ!
ナダルの第6ゲーム、
ナダルはサービスセンターへサービス・エース。
しかし、錦織はライジングでバックのダウン・ザ・ラインのパスウィナーや、
ナダルのフォアのダウン・ザ・ラインへのパスを錦織は飛びつき、フォアクロスボレーを決めたりする。
錦織のバックでのダウン・ザ・ラインのウィナーでブレーク・ポイントがあったが、
181キロのサービスセンターエース。
4回のデュースの末、3-3キープされる。惜しい~!
錦織の第7ゲーム、0-40のピンチ、
錦織はバックのダウン・ザ・ラインへウィナーを決める。
このショットがこの試合のキーになるかもしれない。意識させると後でバッククロスが効いてくる。
サービスセンターからフォア逆クロスへドロップ・ショットのウィナー。
ナダルに対してドロップ・ショットを決めるなんて、凄い!
5ポイント連取で4-3キープ。これも大きい。
錦織の第11ゲーム、
サービスワイドからフォアダウンザラインウィナー。
打ったらすぐに前にポジションを取るのが上手い!錦織!
ラブゲームキープで6-5とするがナダルもキープ。
タイブレークに
ナダルは最初のポイントをキープ。
この時、コーチングのバイオレーションを取られる。
ナダルは全然動揺せずにプレーを続ける。
錦織から2-5になってしまう。
錦織はバックのダウン・ザ・ラインへジャンピングして打つ、
ナダルはそれを中に入ってバックアングルへ持って行く。
錦織はそれを取れない。うまい所に落とす。2-6とセットポイントを握られた
錦織はバッククロスアプローチで3-6とするが、
最後はサービスセンターへ。錦織のフォアリターンがガシャとミス。
今日のナダルはこのセンターTへサービス・エースが非常にいい。警戒したい!
3-7で第1セットは落としてしまったが、競っている。
チャンスはあるぞ!
第2セット
錦織はフォアのダウン・ザ・ラインにウィナーを決める。
それにしても凄い打ち合い、ゲームだ。
一球一球に驚きの歓声が。
錦織はサービスゲームを当たり前のようにキープしているのがすごい!
それ自体、ナダルに対しては普通のプレーヤーにはなかなかできないことだから。
ナダルの第5ゲーム、
錦織のバッククロスからフォア逆クロスウィナー。
錦織のフォアダウンザラインからフォア逆クロスへドロップウィナー。
すごい!わからないぐらい凄い!15-40とブレーク・チャンスだ!
30-40でナダルのバックボレーを錦織は拾ってバックへロブ。
甘いが、ここでナント!! ナダルがフォアのハイボレーを打ちそこないアウトにする。
さすがのナダルも焦ったのか?
それまでの錦織のラリーの攻撃がすごかったからこそ、甘いボールが来たので、これは簡単と、つい油断してしまったのだろう?
緊迫のゲームの中で意外と起こるイージミスだ。(勇み足かな?例えがピントこないか?)
なにしろ、ラッキーだが、それはこれまでの錦織圭のプレーが十分にプレッシャーをかけていたのだろう。
会場も最高の盛り上がり!「ケイ!ケイ!ケイ!ケイ!ケイ!」と、
するとそれに対して「ラファ!ラファ!ラファ!」と起こる。
錦織には日本人だけでなく、外人の応援もすごい!
ナダルはバックのダウン・ザ・ラインのウィナーを久しぶりに決める。2本目かな?
以前、ウィンブルドンの決勝でフェデラーのフォアクロスより速いナダルのバッククロスウィナーの速さにビックリしたが、凄いダウン・ザ・ラインだ!
錦織の第8ゲーム、
ナダルはプライドも捨てて?錦織の攻撃をフォアとバックのスライスで必死に繋げ、錦織のミスを誘う。
激しいラリー、ナダルはフォアのダウン・ザ・ラインへウィナー!
逆を突かれた~!錦織の足が滑る~!
ナダルは引きつけてからリストだけで持って行く。ガッツポーズ!
4-4とブレーク・バックされた。残念だ。
ナダルの第9ゲーム、
錦織はフォアのクロスボレーウィナーを放つ、それを取ろうと、ナダルはそのボールに飛びつく、
勢いあまり、クルクルと転んで回った~!
ナダルがコートから出ていくよ。
どうした?あ~え、靴紐が切れた!
捻挫じゃないのか~?珍しいことが起こるものだ!
貧乏テニスプレーヤーだった私はよく靴がやぶれたが。(破れるまで履いていた)
靴を替えてきたら、またサービスが良くなった。(ナダルキープで錦織から4-5)
錦織の第10ゲーム、
サービスワイドからバックアングルウィナー。
錦織のバックは肩がしっかり入っているので、コースが読めない。
今日は特にバックのダウン・ザ・ラインが良いのでどちらに打ってくるからわからないのだろう?(5-5キープ)
錦織の第12ゲーム、15-40のピンチ
ここでまた、ナダルはフォアのダウン・ザ・ラインに打ち込む。
逆を突かれた~!
さっきの第8ゲームでやられたやつと全く同じだ!
このセットも競るが、ナダルに5-7で取られた。
が後一歩で取れる!展開がガラリと変わりそうだぞ!
ガンバレ錦織圭!
第3セット
ナダルの第3ゲーム、
ナダルのフォアクロスアプローチを錦織のバックアングルパスウィナー。
リストのみ打つ。ここに来たら、ここに打つと決めているのだ!
15-40のブレーク・チャンス!
ナダルの連続フォア逆クロスウィナー。ブレークできないな~ぁ!(錦織から1-2)
錦織の第4ゲーム、
錦織のミスが早い。先ほどのゲームでショックを受けたのだろうか?ブレークされ1-3。
ナダルの第5ゲーム、
錦織はバックのクロスパスを決めて、また15-40とブレーク・チャンスを掴む。
ナダルはここでも199キロのサービスセンターへ連続で来る。
ファーストのコースと確率が上がって、リズムが出てきたナダル。
キープし、錦織から1-4だ。
第3、第5と15-40とブレーク・チャンスだったが、本当に簡単には取らせてくれない。これがナダルの強さなのだろう。
力尽きてしまうか?ナダル相手に普通のプレーヤーだったらここで終わりだろう。
しかし錦織圭は違う。
錦織の第6ゲーム、
錦織はフォアクロスからバックハイクロスボレーのウィナー。(キープし2-4と望みをつなぐ。)
ナダルの第7ゲーム、
錦織はフォアをクロスに決めて、またまたまた15-40とブレーク・チャンスを掴む。
ナダルと言えども、ここでプレッシャーを感じるのか?なんとダブルフォルト!
錦織、3-4とする。やっとだ!
錦織の第8ゲーム、
錦織は2つのバックハンドでのクロス・ドロップ・ショットを決めた。
あのナダルが反応できない見事なタイミングだ。キープし、4-4と追いつく。
ナダルの第9ゲーム、
デュース。ナダルは時間と取り過ぎと、タイムバイオレーションでセカンドサービスになった。
錦織はフォアクロスからバッククロスと決め、5-4とブレークする。
5-4、錦織の第10ゲーム、
しかし、固くなったのか?錦織は4つのフォアのミスを連発する。
ナダルがそうさせたのだろう?
もったいないがこれが勝負はメンタルが影響すると言う過酷さだろう。
「5-4(サービング・フォー・ザ・セットのチャンスでは)簡単なフリーポイントがなかったので、自分から取りにいった。
焦った気持ちもあったかもしれない。
悔いの残らないように打って行こうと思っていた。」と錦織はインタビューで語っていた。
錦織の攻める気持ちは、結果は報われなかったが、これが勝負師の鉄則だと思う。
相手のミス待ちでは永遠に成長できないと思う。
ブレーク・バックされて5-5となる。
ナダルの第11ゲーム、
センターへのサービス・エース、チャレンジするが、髪の毛1本かすっているよ!本当かよ~!
ナダルはキープする。(錦織から5-6)
錦織の第12ゲーム、
錦織のフォア逆クロスがコーナーへ。半端ない~!
プレッシャーのかかるゲームを良くキープした。簡単ではない局面だ。
ナダルは189キロのサービス・エースをセンターに決める。どれだけここが好きなんだ?
負けずに錦織も195キロのサービス・エースをセンターに。お~!こちらも!(錦織1-2)
ナダルの181キロのサービス・エース、センター!
本当にいくつ打つのだけ教えて下さい!(錦織1-4)
3-4まで行くが、3-6でマッチポイント、
最後は錦織のフォアクロスがネットにかかり、3-7。
このセットだけで70分。
試合時間は3時間17分の超熱戦。
セットは取れなかったが、完璧にあの世界王者を追いつめたよ。
全てのセットが60分超える。
他の選手にはできない事だ!
大善戦した錦織にはナダル以上の大きな拍手と歓声と称賛の声があふれているセンター・コート!
惜しかったあ~!
実に、惜しかったあ~!
大会データー:2014オーストラリアン・オープン
会場:メルボルンパーク
メルボルン現地時刻(時差は+2時間)
本戦:1/14 - 1/27, 2013
予選:1/09 - 1/12, 2013
ジョコビッチ敗れる!
<準々決勝>
1)R.Nadal(ESP) vs 22)G.Dimitrov(BUL)
4)A.Murray(GBR) vs 6)R.Federer(SUI)
〇7)T.Berdych(CZE) 61 64 26 64 ●3)D.Ferrer(ESP)
〇8)S.Wawrinka(SUI) 26 64 62 36 97 ●2)N.Djokovic(SRB)
<4回戦>
〇1)R.Nadal(ESP) 76(3) 75 76(3) ●16)錦織圭
〇22)G.Dimitrov(BUL) 63 36 62 64 ●Bautista Agut(ESP)
〇4)A.Murray(GBR) 61 62 67(6) 62 ●S.Robert(FRA)
〇6)R.Federer(SUI) 63 75 64 ●10)J-W.Tsonga(FRA)
〇7)T.Berdych(CZE) 62 62 63 ●19)K.Anderson(RSA)
〇3)D.Ferrer(ESP) 67(5) 75 62 61 ●F.Mayer(GER)
〇8)S.Wawrinka(SUI) 63 76(3) 76(3) ●17)T.Robredo(ESP)
〇2)N.Djokovic(SRB) 63 60 62 ●15)F.Fognini(ITA)
<3回戦>
〇1)R.Nadal(ESP) 61 62 63 ●25)G.Monfils(FRA)
〇16)錦織圭 75 61 60 ●D.Young(USA)
〇22)G.Dimitrov(BUL) 63 36 64 76(10) ●11)M.Raonic(CAN)
〇Bautista Agut(ESP) 62 61 64 ●27)B.Paire(FRA)
〇4)A.Murray(GBR) 76(2) 64 62 ●26)F.Lopez(ESP)
〇S.Robert(FRA) 60 76(2) 64 ●M.Klizan(SVK)
〇10)J-W.Tsonga(FRA) 76(5) 64 62 ●18)G.Simon(FRA)
〇6)R.Federer(SUI) 62 62 63 ●T.Gabashvili(RUS)
〇7)T.Berdych(CZE) 64 62 62 ●Q)D.Dzumhur(BIH)
〇19)K.Anderson(RSA) 36 46 63 76(5) 75 ●Roger-Vasselin(FRA)
〇F.Mayer(GER) 75 62 62 ●20)J.Janowicz(POL)
〇3)D.Ferrer(ESP) 62 76(5) 62 ●29)J.Chardy(FRA)
〇8)S.Wawrinka(SUI) w.o. ●28)V.Pospisil(CAN)
〇17)T.Robredo(ESP) 26 75 64 76(6) ●9)R.Gasquet(FRA)
〇15)F.Fognini(ITA) 75 64 64 ●S.Querrey(USA)
〇2)N.Djokovic(SRB) 63 63 75 ●D.Istomin(UZB)
<2回戦>
〇16)錦織圭 61 61 76(3) ●D.Lajovic(SRB)
<1回戦>
〇16)錦織圭 63 57 62 46 62 ●M.Matosevic(AUS)
男子ドロー
男子予選ドロー
錦織 圭 ブログ
錦織 圭 データー 1989年12月29日生まれ24歳
(レポート 森下 泰&塚越 亘 CanonEos7D テニスジャパン)