3月25日、博多の森テニス競技場で行われた『大正製薬 リポビタン 第48回全国選抜高校テニス大会』の女子団体戦決勝は、相生学院(兵庫)が大商学園(大阪)を3-1で下し、2年ぶり5度目の全国制覇を成し遂げた。

海外遠征も経験する強力なシングルス陣を擁する相生学院だが、近畿大会では準決勝で神戸野田に敗退し、3位となった。ここで長南友貴監督は「ゼロからのスタート」と改めてチームを見直し、強化を図った。

それはチーム全体の強みを再確認し、各選手の持ち味、プレースタイルを生かすこと。決勝ではその持ち味が大いに発揮された戦いとなった。

S1、D1が同時進行するなか、S1は大商学園のエース窪田結衣が相生学院の北岡美空にストレートで勝利し、先制する。しかし、相生学院に動揺はなかった。

D1の西川桃絆・奥出彩帆ペアは、引かないストロークと積極的なネットプレーで終始試合を優位に進め、ストレートで快勝する。S2の服部天寧もスピーディーなストロークと不意をつくドロップショットで大商学園の藤井小夏を退け、王手をかけた。

D2、S3が進行する中、優勝を決めたのは、キャプテンのS3、上田莉恋だった。

D2の中原/角野

「最後のポイントを取るのが本当に大変だった」と振り返るとおり、プレッシャーのかかる場面であったが、上田は得意のネットプレーを積極的に仕掛け、応援を力に変えて躍動する。6-2 6-3のストレートで試合を決めると、チームの選手たちはコートになだれ込み、優勝の喜びを分かち合った。

S3のキャプテン上田が優勝を決めた

「プレッシャーはあったが、ャプテンとして最後に勝ちをもぎ取ることができて本当に良かった。ここまで頑張ってきて良かったと改めて思う」と上田は笑顔を見せた。

監督就任後、初優勝となった長南監督は「達成感でいっぱい。近畿選抜3位に終わってから、ゼロを1にする作業をしようと、一人一人が全国で勝つために頑張ってきた。メンタル的にも大きく成長し、自分の強みを出そうという意識がプレーに表れていた。夏に向けてまたチームを作り直し、春夏連覇を目指したい」と喜びと同時に夏のインターハイ制覇を視野に入れた。

長南監督は就任初の全国タイトルとなった

相生学院が見せたのは、突出した個の力だけでなく、敗戦から学び、基本を徹底して磨き上げる真摯な姿勢であった。海外での経験をチームに還元するS1、S2、泥臭く勝利を狙うD1、D2、S3が融合した相生学院は、さらなる進化を遂げるに違いない。

【3月25日(水)団体戦試合結果】
■女子団体戦 準決勝
相生学院 3-1大商学園
S1 ●北岡美空 3-6 4-6 ○窪田結衣
D1 ○西川桃絆/奥出彩帆 6-3 6-0 ●辻真帆/藤田こまち
S2 ○服部天寧 6-1 6-2 ●藤井小夏 
D2  中原萌/角野玲那 3-6 6-0 3-5 打切 村上璃優/以須野心音
S3 ○上田莉恋 6-2 6-3 ●大西瑠歌

3月26日(木)の試合予定
9:00〜
男女個人戦準決勝(8ゲームプロセット)、決勝(ベストオブ3タイブレークセット)
■男子SF
稗田光(関西高校)VS 櫻井義浩(湘南工大附)
鈴木志翔(名経大市邨)VS 小野倫太郎(四日市工)
■女子SF
北岡美空(相生学院)VS 伊東来春(沖縄尚学)
島田菜帆(野田学園)VS 窪田結衣(大商学園)

※終了後、試合が先に終わった対戦からファイナルを開催

取材・写真/保坂明美